利他のパワー
「人を動かすためには、『それをすることによって、その人自身にとってどんなメリットがあるか』を伝えなければならない」と説く人がいます。
例えば、部下に対して、「この仕事をすれば、これだけ成長できるよ」とか。
でも、そのアプローチって、最も効果的なのでしょうか?
それをすることによって、『どれだけお客様が喜ぶか』、『どれだけお客様のためになるか』、さらには『どれだけ世の中のためになるか』を伝えることの方が、よいのではないでしょうか?
人は、自分のためよりも、他人のために行動した方が、ギリギリのところまで踏ん張れるので、より成長できるからです。
また、高い次元の欲望を満たすことができ、強い幸福感を得ることができるはずです。
ひすいこうたろう氏と滝本洋平氏の共著『なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか?』(A-Works)の中に、次ような一節があります。
「かつての日本は、自分のいのちよりも大切なものがあると教育されていました。今はその逆。自分のいのちを大切にしようと教育されます。その結果、なぜか自殺する人が増えました。その数は年間3万人を超えています。自分のいのちよりも大切なものがあると教えていたときの方が、自分のいのちを大切にしていたわけです」
ここに本質があると思います。