魚を飼うことは、水を飼うこと
著名なクリエイターで、自身が創業した上場企業”株式会社ほぼ日”の社長、糸井重里氏は、ベストセラー『すいません、ほぼ日の経営。』の中で、「組織の問題ひとつひとつに向き合って解決を図るよりも、環境を整えた方が、ずっとよくなる」と述べています。
糸井社長が以前、水槽で肉食の魚を飼っていたとき、「エサを食い散らかすから、水が汚れ、魚の体調が悪くなる」という問題がありました。
サプリメントを使うという解決策がありますが、それではずっと使い続けなければなりません。
それよりも、「できるだけ何もしないで、きれいな水の状態をキープするにはどうするか、徹底的に考えた方がいい」と思い至ったそうです。
つまり、「魚を飼うことは、水を飼うことだ」と。
例えば、おもしろいアイデアがどんどん出る企業を創るために、経営トップは何をすべきか?
糸井社長は、「消極的でいた方がうまくいくような風土をなくすこと」、「立ち話が増えるような環境を創り、アイデアの種をまく気にさせること」などが大事だと言います。
多くの企業では、ユニークな企画会議や提案制度を導入しようといった発想になりがちです。
しかし、それではアイデアを無理やり”出す”だけで、どんどん”出る”企業になっているわけではありません。
「人をマネジメントすることは、職場環境をマネジメントすること」だということでしょう。
『すいません、ほぼ日の経営』 https://info.nikkeibp.co.jp/nb/sales/suimasen/