物流コストのブラックボックス化を防ぐ有効な手段とは
物流業務を物流企業に委託している荷主企業にとって、コスト構造がブラックボックス化してしまうことは、様々なリスクを伴います。
ブラックボックス化は、単に”自社の物流実態を把握できていない”状態に留まらず、コストの増加、品質の低下、業務改善の停滞、そして最終的には企業価値の低下に繋がる深刻な問題です。
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目次
コスト構造のブラックボックス化がもたらす課題
物流コストは、輸配送費、保管費、梱包費、人件費等、多岐にわたる項目で構成されています。ブラックボックス化が進むと、コストの内訳が不明確になり、どの項目にどれだけのコストがかかっているのか、その妥当性を判断できません。
例えば、運賃ひとつをとっても、燃料費の高騰、配送ルートの見直し、人件費の増加など、様々な要因によって変動します。これらの情報がブラックボックス化していると、不当な請求に気づくことができず、結果として余分にコストを支払い続けることになります。また、コスト構造が不明確なままでは、コスト削減のための具体的な施策を検討するのは困難です。
荷主企業が意識すべきポイント2選
1.コスト構造の把握
物流企業から提示されているコストには、どのような項目が含まれているのか、把握することが大切です。
例えば、東京~大阪【10t車】:●●円(一式)という内容で契約しているとします。もし物流コストの値上げを要請された場合、運賃の値上げなのか、荷役料によるものなのか、要因となっている項目が不明で値上げの妥当性を判断できません。
そのため、物流企業に委託する際は、運賃、荷役料、高速代等の「コスト構造」を明確にして、把握するようにしましょう。
2.KPIの設定と共有
KPIは、物流業務の目標達成度を測るための指標です。KPIを設定し、物流企業と共有することで、目標に対する進捗状況を把握します。
KPIは物流コスト、品質、納期、効率性等、自社の物流戦略に合わせて具体的に設定することが重要です。物流コストであれば、輸配送費、保管費、梱包費等の項目別にKPIを設定し、目標値を明確にします。
KPIの進捗は、定期的に物流企業と共有し、達成状況や課題について議論するとよいでしょう。
まずは実態把握から
コスト構造のブラックボックス化を改善するために、初めに行うべきことは実態の可視化です。そのうえで、果たして自社が適切であるのか、他社の取り組み事例や弊社のコンサルティングサービス等、第三者からの意見を取り入れてはいかがでしょうか。
弊社では、荷主企業の物流責任者が集う「ロジスティクス・リーダーシップ・サロン」を運営しております。コスト構造のブラックボックス化を防止するための他社事例をはじめとした、情報交換会を行っております。この機会に、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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