物流コンサルタントの視点 2019.10.17

「こんなことにもお金をとるの?」物流時流に応じた輸送サービスの変化

物流事業者からの運賃値上げは止まらず、運賃だけではなく荷役料や保管料、さらには事務作業料という若干曖昧になりがちな物流費項目においても値上げが進んでいます。

この中で、物流コスト増への影響度が高い「運賃」において、これまでは輸送の一貫としてごく当たり前に行ってきたことも、今後はオプション料金として徴収されることが懸念されるサービスが2つあります。

繁忙期での納品オプション

運賃物流企業側では、年末年始等の繁忙期に荷量が集中することを見越し、人手不足の中でもなんとか人員を集め対応しています。

昨年末、自宅宛に荷物が届いたときのことでした。

受領印を押して荷物を受け取った後、女性宅配員はすぐに走り去ってしまいました。

気になって少し宅配員の行方を目で追ったところ、トラックへ戻り、2~3個の荷物を抱え、自宅向かいにあるマンションや隣にある戸建て住宅へ再び配達へ行きました。

10分後、すでに同エリア内の配達を終えたドライバーが待機しているトラックに先ほど自宅に来た女性宅配員が乗り込み、次の配達エリアへ出発しました。

普段であれば自宅近くはドライバーが配達をしていますが、この時期は荷量が多く、1人では配達しきれず、宅配員を同乗させ2名体制で配っていたようです。

このように繁忙期は荷量が通常期から2倍以上に増え、納期通り荷物をお届けするためには、人員体制を強化する必要があります。

そのためには通常運賃に加えて繁忙期料金が追加される日がくるかもしれません。

新幹線や飛行機の乗車賃が繁忙期と呼ばれる年末年始、ゴールデンウィーク、お盆時期に高くなることと同じように、モノを届ける際に発生する「運賃」に関しても、繁忙期料金が設定されてもおかしくありません。

ただし、これまでごく当たり前に行ってきたサービスが有料になるということは非常にハードルが高いことです。

繁忙期料金を発生させないためにも、荷受人側の理解が必要です。受取側も特定日付に納品が偏ることを防ぐために、注文や納品日の調整及び受取側が自ら引取を行うといった対応策の検討が必要になります。

再配達発生時の再配達料

宅配において、元請会社がカバーできないエリアは下請会社へ委託することがあります。

その際の取り決め料金は、荷物1個あたり配達完了で〇〇円という契約が一般的です。

よって、1個あたりの配達料×配達個数が下請ドライバーの売上になります。

ここでポイントなのが、配達完了して初めて下請会社の売上となることです。

不在で配達できない、マンションに設置されている宅配BOXがいっぱいで利用できないとなると、持ち戻りせざるを得ない状況と なります。

つまり、持ち戻り=配達未完ということは下請会社の売上にはなりません。

大手宅配では不在による配達未完を減らすために、コンビニや外部の宅配BOX、宅配会社の営業所等、納品先以外の場所での受け取りを推奨しています。

それだけ、再配達の負荷が重いということです。再配達問題が解消されないことには、2回目以降の配達時には配達料が発生するかもしれません。

1回目の納品で受け取りができない理由は様々ですが、持ち戻りによる再配達発生によってドライバーの拘束時間、他納品先への納期遅延にもつながることを意識する必要があります。

以上、オプション料金が徴収されることが想定される輸送サービスをあげました。

しかし、お金を払えばこれまで通りのサービスをしてもらえるという状況が必ずしも続くとは限りません。

一番恐れているのは荷物を運んでもらえなくなることです。

そのためには、今何をしなければならないか今一度、注文の仕方、顧客からの輸送に関する要望、社内への周知を改めて見直す必要があります。

弊社では無料物流相談を実施しておりますので、自社の物流体制にまつわるお悩みやご相談がございましたらお気軽にお問合せください。

Pen Iconこの記事の執筆者

田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

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