現場改善専任者設置の重要性

船井総研ロジ

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2025年の大阪EXPOの開催が決定しました。

2020年の東京オリンピック開催に引き続き、西日本でも建築関係の強力な労働力確保が進むことが容易に想定されます。

しかし、物流は経済インフラの一つとして不可欠な機能であるため、労働力不足を理由に滞留させるわけにはいきません。

物流企業各社は「現場スタッフの省人化」を実現し、少人数でも運用可能な現場環境を早急に構築する必要があります。

省人化の施策として大型マテハンの導入が挙げられますが、高額な投資判断が必要となります。

そのため、多くの物流企業は自社努力(=現場改善)から進められるのではないでしょうか。

今回は物流企業が現場改善を進める上で社内に「現場改善専任者」を立てることによる有用性についてお伝えしたいと思います。

物流現場責任者の実態

物流企業の経営層の方々は、現場改善を推進する際、各物流現場の責任者に省人化に向けた改善を進めるよう指揮されるのではないでしょうか。

しかし、物流現場の責任者は今までムダな時間を過ごしていたわけではなく、日々の業務遂行に向けた進捗管理や顧客折衝、現場スタッフの採用活動など様々な業務を行っており、+αで現場改善の検討や実行は、対応が困難であると感じられる方が大半であると想定されます。

初めから「時間がない」「できるわけがない」などのネガティブなイメージを持った責任者が果たして経営層の期待するパフォーマンスを発揮してくれるでしょうか。

一方、新たに現場改善の専任者を立てた場合はいかがでしょうか。現場改善のみを目的として任命された以上、誰よりも真剣に現場改善のための施策を考え、効果を出さなければ個人の存在意義が消失するという危機感も持つことでしょう。

個人やチームなどに明確かつ単一のゴールを設定すると動きは格段に向上します。

改善のためだけに時間を充てることができることで、問題点抽出・改善策立案・トライアル・検証などをすべて主体的に進めることが可能になり、現場改善のPDCAが回り始めることでしょう。

現場改善に対する問題抽出力の養成

普段現場で業務を行わない管理職以上の方々が現場に訪問した際、「なぜこのような非効率な手順で進めているのか?」「なぜこんな所にモノが置かれているのか?」と気になられることがあるかと思います。

当然、それぞれの手順やモノの配置には相応の理由がある場合もありますが、「この手順で教わったから」「昔からここにあるから」など、明確な理由なくそのような事象となっていることが多く見受けられます。

ではなぜ現場の責任者はその問題点を解決しようと動かないのでしょうか。

日常的に現場を見ている責任者の場合、すでにその事象が常態化してしまい、問題を問題視できなくなってしまっている可能性があります。

ここで改善専任者を導入することにより、常に新鮮な視点で現場の問題点を抽出することが可能となります。また、他現場で見受けられた問題が同様に発生していないかなどの視点も持つことができるため、様々な角度で問題点を抽出する力が養成されます。

現場改善導入における初動の重要性

現場改善の導入は最初が非常に重要です。

立案した改善策を現場に導入する際、現場の協力も当然必要になり、多少なりともパワーが必要となります。

パワーをかけても現場が協力する理由は、自分たちの現場がよくなると期待しているからに他なりません。

しかし、実際に導入した改善策が失敗に終わった場合はどうでしょうか。

「改善なんて意味がない」「時間のムダ」と思われてしまっては、次回の導入には相 当な労力が必要となるでしょう。

そのため、初回の改善導入は確実に効果のある内容でスマートに導入し、現場全体で成功体験を共有することが不可欠となります。

改善専任者がこの役割を担うことで、現場スタッフの巻き込み方や改善策導入の進め方についてのノウハウが蓄積され、初めての現場でも臆せず改善を進めることができます。

いかがでしたでしょうか。

すでに現場を把握している各現場責任者が改善担当者に最も適任であると思われがちですが、全く別の担当者を設けることも有用であると感じられたのではないでしょうか。

現場管理者と改善担当者の役割を明確に区分することにより、それぞれ最高のパフォーマンスを発揮することができ、会社全体の利益向上が期待できます。

また、社内の「良い現場」「悪い現場」という区分がなくなり、すべての現場が一定水準以上の現場に底上げされることでしょう。

今まで現場改善に対して真剣に向き合えてこなかった物流企業様は、ぜひ上記内容を検討いただけますと幸いです。

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