拠点立上げにおける留意点

船井総研ロジ

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拠点立上げを行うために何を注意するべきであるかという質問を行うと、大抵の場合、在庫移管が一番重要だと返答がきます。

その内容は移管時の出庫側・入庫側の必要荷役人員やタイムスケジュール、必要車両台数や着荷時間などが主たるものです。

もちろん拠点立上げを行うにあたり、移管についての注意すべき項目は必須といえます。特に大型センターの立上げにおいては、様々な確認ポイントがあります。

■工場入荷は欠品を起こさずにいつの時点から新センターへ入荷させるのか
■車両をいつ・何台・誰が手配するのか
■出庫元・入庫元センターでのバース数・バース使用時間の制限はあるのか
■積込はバラ・パレットどちらで行うのか、パレットを使用する場合購入するのか返却するのか
■移管時の業務区分について明確になっているか

など

上記以外にも、移管に関しての確認事項は無数にあり、立上げに関しての移管準備は最も重要な項目であるということは間違いないでしょう。

移管準備のためにプロジェクトが発足され、上記懸念項目も解決していくことでしょう。何かおかしいことを感じませんでしょうか。

今回のメルマガが“移管のための留意点”という内容の場合は上記留意点を1つずつ列挙して潰していくということで問題はないでしょう。

しかし、今回の話は“拠点立上げにおける留意点”です。

今回、筆者が最も言いたいのは【立上げ≠移管】であるということです。

移管は立上げの一部であり、ゴールではありません。読者の方々は当たり前であるという感想を持たれた方も多いでしょう。

もちろん、移管前には様々な分科会で業務・システムについて議論を行っていると思います。

しかし、ここで注意してもらいたいのが、その分科会の情報は各部門・担当者まで共有されているかということです。

各業務やシステムの分科会での協議内容が現場まで共有されておらず、移管間近となり突如移管プロジェクトが発足し、業務分科会の主力メンバーであった担当者が移管立会に注力してしまうといったことは避けなければなりません。

移管プロジェクトが発足するとそれに注力してしまい、各分科会での情報を共有する時間や場面がなくなり、そのまま立上げという状況となり得るのです。

移管で主力メンバーが体力を使い果たし、本来一番力を注ぎこまなければならない稼働時に情報を共有できておらず、現場が混乱しトラブルが続出するといった結果につながってしまうリスクもあるのです。

筆者の考える“立上げの留意点”とは各分科会の情報が実務担当者までしっかりと落とし込めており、 何度もテストを行うことで実行可能であるという検証できているかという点です。

読者の皆様が感じている【立上げ≠移管】という当たり前の内容を今一度考えてみてください。

実際に自身が移管責任者になった場合、各分科会の担当者に任せて情報共有を怠るということはあり得ないと言い切れますか。

「情報共有しているだろう」、「たぶん大丈夫」という考えや発言が生じた場合、立上げ失敗に一歩踏み入れているかもしれないのです。

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