個建契約単価検証における留意点
過去自分の投稿では荷主企業から見た個建単価の妥当性検証方法について述べてきました。
【参照】
『第32回個建て保管単価の妥当性について』(※URL)
『第45回個建荷役費検証の手法(その1)』(※URL)
『第57回個建荷役費検証の手法(その2)』(※URL)
今回は保管個建契約の検証を行う際、契約内の請求単位とデータ抽出を行える単位が異なっていた場合どのように検証するのかを述べていきます。
保管において、個建契約とは3期制、または2期制での契約のことを指します。
前回の投稿で伝えているように個建契約では契約の単位(コストドライバー)の確認が必須です。
また、並行して3期制(2規制)の契約定義を確認することが必要となります。
3期制とは法令で決まった定義はなく、企業によっては【月内の最大在庫数×3】や【入荷量を積数として加算する】などといった契約もあるため、自社の個建契約内容がどのように締結されているか確認することが重要になります。
契約単位や、契約内容を確認した後、契約単位の在庫数量・入荷数量をデータ管理しているか確認してください。
抽出データが契約単位ごとではない、月末在庫量のデータしかないなど様々な状況が出てくると思います。
この時点で、自社では個建契約の検証はできないと諦めてしまう方もいるでしょう。
しかしながら、抽出データと契約単位を確認し、現場視察を行うことにより検証することができます。
例を下記に述べます。
【個建保管契約】
個建保管契約単位:パレット(PL)単位3期制契約:(前月末PL残+10日PL残+20日PL残+当月入荷PL数量)×PL単価
【抽出可能データ】
●月末在庫pc数
●当月入荷pc数
上記の条件であった場合、自社内のマスタで1PL(パレット)当たりの積付pc数(pc/PL)が設定されているか、PL積付数のマスタない場合は物流アウトソーシング先と保管KPIとしての目標値(基準値)が設定されているか確認してください。
保管KPIが設定されていない場合でも、委託先からの請求明細から1PLあたりの積付け数を算出できる場合もあります。
請求明細自体がない場合は現場視察を行い(カテゴリ別・荷姿別の)PL積付け数の調査が必要となります。
保管KPI値・請求書及び現場視察より在庫pc数に対して保管使用PL数(請求PL数)が適当であるか検証可能となります。
保管個建契約において、抽出可能データが契約単位と異なっている場合でも、物流委託先と握っているKPIや現場視察時の確認内容をもとにロジックを組むことで単価の検証を行うことができるのです。
本来の目的である単価自体の検証方法につきましては以前のコラムで発信しておりますのでそちらでご確認ください。
【参照】『第32回個建て保管単価の妥当性について内“個建保管費単価検証ロジック”』(※URL)
当社で7月13日(金)に開催予定でありますセミナー『保管・荷役費値上げ抑制理論武装セミナーでは、個建契約(保管・荷役)がどのように設定されているのか、単価の検証方法をお伝えいたします。
ご興味のある荷主企業の担当者様はぜひ参加をご検討ください。