今後の配送費の動向と荷主企業として取るべき対策

船井総研ロジ

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トラックドライバーにおける賃金の実態

昨今、大手路線会社から運賃の値上げ要請が生じているかと思います。
これは主にドライバーが不足していることが大きな要因ですが、不足している理由はドライバーの高齢化や他の職種よりも低賃金であることが挙げられます。

ただ、低賃金とは言うもののドライバーの給与は400万円~450万円/年ほど(※平成28年賃金構造基本統計調査より)であり、日本の平均給与は約422万円/年(※国税庁が発表している平成28年分民間給与実態統計調査結果より)であるためそこまで低賃金ではないように見受けられます。

では、なぜ低賃金と言われるのでしょうか?

これは答えから言うと労働時間が大きく影響を及ぼしているためです。

厚生労働省が発表している【賃金構造基本統計調査】の「所定内実労働時間数」と「超過実労働時間数」の合計実労働時間数を算出するとトラックドライバーは職種平均(※賃金構想基本統計調査に掲載されている各職種の合計実労働時間数の平均値)よりも約30時間多いことが見て取れます。

つまり、長時間労働が給与を押し上げていると言っても過言ではありません。

今後の配送費の動向と荷主企業として取るべき対策

では、次にドライバーの時間あたりの賃金(時給)がどれ程のものか見てみましょう。

時間あたりの賃金(時給)は、厚生労働省が発表している【賃金構造基本統計調査】の「きまって支給する現金給与額」に先ほど算出した合計実労働時間数を除算して求めました。
(※今回の時間あたりの賃金は企業規模計10人以上且つ男女合計のデータを用いて算出していますが、消費者物価指数をここでは反映しておりません。)

試算結果が下記の表です。

2017年の時点で営業用大型貨物自動車運転者は1,628円/h、営業用普通・小 型貨物自動車運転者は1,467円/h、職種平均(※賃金構想基本統計調査に掲載されている職種の時間あたりの平均値を引用しています)は1,757円/hであることが読み取れます。

また、2012年から2017年の営業用大型貨物自動車運転者、営業用普通・小型貨物自動車運転者と各職種平均対比率を比較すると年々、差は縮小傾向にあります。

2017年時点でも営業用大型貨物自動車運転者は各職種平均と比較して、93%、営業用普通・小型貨物自動車運転者は83%であるため、約7~17%の乖離が生じていることが窺えます。

以上のことからも、ドライバーの時間あたりの賃金は他の職種に比べると低賃金であることが分かるかと思います。これが低賃金と言われる所以です。

今後の配送費の動向と荷主企業として取るべき対策
今後の配送費の動向と荷主企業として取るべき対策

今後の配送費の動向と荷主企業として取るべき対策

上記のことからも、低賃金の影響で今後もドライバー不足はより一層激しさを増す恐れがあります。
各物流企業は、商品を運ぶためのドライバーを確保するために、賃金を上げざるを得ない状況です。
賃金を上げるには収益を拡大する必要がありますが、短期で拡大するには値上げをすることが合理的と考えられます。
そのため、2018年度も配送費の値上げは各荷主企業にとって避けては通れない問題となるでしょう。

では、荷主企業として取るべき対策は何か?
これは自身で主体的に改善することです。改善の取り組みとして重要なのが発送物(商品)の縮小化です。
発送物は梱包材(段ボールやオリコン)のサイズに合わせて梱包することが主流かと思いますが、梱包時に空間(空気)が生まれ無駄が生じている企業は多いでしょう。

空間(空気)も運ぶということは本来の形状よりも一回り大きいサイズで発送することになるためケース単価も割高になります。
そのため、今後荷主企業として取り組むべきことは、商品サイズに合わせて梱包することです。

ある企業では商品サイズに段ボールを合わせることでサイズがワンランク下がり(例えば100サイズが80サイズ、80サイズが60サイズとなり)、配送費が4%削減されたという事例もあります。

また、60サイズ未 満の商品に対しては宅配便ではなくメール便(ネコポス、飛脚メール便、ゆうパケットなど)を活用することも対策の一つです。
宅配便とメール便(ネコポス、飛脚メール便、ゆうパケットなど)とでは1個(通)あたり200円ほどの差が生じるため、配送費を抑制するには重要な視点となります。

今後、メール便の活用は各荷主企業にとって配送費抑制の活路にもなりえるため、発送物(商品)の縮小化を一度検討してみてはいかがでしょうか?

当社でもメール便の配送サービスを提供しております。ご興味がある企業は一度お気軽にご相談下さい。

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