脱!属人的な配車体制
運送会社では、配車計画をその会社のベテランが行うことが多く見受けられます。
ルートや地理、その人の経験値から様々な場面で知識が豊富であり配車計画を立てることが出来るからです。
しかしながら、長期的な目線でみると「属人的」となっている配車体制はその会社にとってリスクがあります。
「あの人が休んでいるので配車状況がよくわからない」
「あの人しかやりかたを知らないし、把握していないのであの人に聞いてよ」
この様な状況について、思い当たる節のある運送会社のトップの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
事例の一つとして、このようなケースがあります。
「この車両の手配をお願いしていますが、どうなっていますか?」と運送会社に問い合わせを行った際、「〇〇(配車マン)がいないので、誰も分かるものがいません。」というケースです。
このような状態では、問い合わせを行った荷主も困ります。
最悪の場合、依頼自体もキャンセルされる可能性も考えられます。
こちらのケースの問題は、アナログな管理+人任せの体制となっていることが原因ではないでしょうか。
運送会社の配車管理は依然として「紙」をベースに管理している会社がまだ まだ多いのが実態です。
その為「見える化」ができていないのです。
配車マン以外の従業員は車両の進捗状況がリアルタイムで把握しきれず効率的な情報共有が社内でできていません。
配車情報は担当者によってバラバラで、配車情報の確認もスムーズに行えていないことも見受けられます。
また配車マンが一人でこなせる案件数というのは限界があります。
配車マンが業務を抱え込んでしまい、配車の組み立てに時間を要し、担当者は夜遅くまで帰れないということも珍しいことではありません。
配車体制を変えることにより、案件数が増えても問題なく対応できるようになること、そして配車マンの働き方を変えることにもつながります。
配車マンは長時間労働や休暇がとれないということが常態化してしまう可能性あり、雇用継続のリスクもあります。
そうなると、配車マンのメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性も考えられますし、生産性は低下するでしょう。
また離職のリスクや企業イメージの低下も考えられます。上記のようなことを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。
その為にはまず、現状の配車情報の統一化が大事であると考えられます。
配車情報の統一化は紙ではなく、従業員全メンバーがデータ上で共有できることが必要になるでしょう。
上記のような例や、「当社も当てはまっている・・!」と思われる運送会社の方に、配車管理システム導入のメリットをいくつかご紹介したいと思います。
1.配送コストの削減
システムを使用することにより配車を最適化し、積載率を向上させることにより空き状態を無くし、配送効率を高めることが可能になると考えられます。
その結果、配送コストの削減に繋がることが想定されます。
2.業務(配車)の効率化
配車システムを導入することにより一次配車が自動化され、配車担当者の業務にかかる時間が短縮し負担が軽減されます。
また、人によるアナログ作業ではなくなるので、案件のブラックボックス化を防止することもできます。
3.属人化の防止
配車担当者が持っていたノウハウを、配車管理システム上に蓄積し活用することで、経験の浅い配車担当者でも配車業務が可能になるだけでなく、配車担当者の知識やノウハウの継承が可能になります。
そのため業務の引継ぎもスムーズに行えることが考えられます。
もちろんすべてをシステム化するということは難しいと思いますし、システムでは出来ないこともあります。
例えばドライバーの力量把握や地図上では分からない土地勘やルートなどは経験を積まなければ習得できないこともあります。
しかし属人的な配送管理には、大きな業務負担がかかっています。
最適な配車計画とは、数値化をすることで配車実績の裏付けをとることも大事だと思います。
また、数値化を行うことにより、これまで「人任せ」で行っていた時には気づかなかったムダに気づくこともできるかもしれません。
システム導入にあたっては、現場の意見が対立するかもしれません。
そして今まで「属人化」していたことをシステムによる「仕組み化」することは決して容易なことではありません。
浸透させるには社内の考え方から変えていかなければならないので、ハードルは決して低くはないでしょう。
しかしベテランの勘と経験だけに 頼り切りになっていてもいいのでしょうか?
現場だけに頼らず、数字の裏付けで経営改善策を打ち出すことが必要ではないでしょうか。
属人的な配車業務の課題を「見える化+仕組化」し、業務改善に繋げることが大事だと考えています。
こうした取り組みは運送会社にとっても極めて戦略的なものになるのではないでしょうか。
2018年より当社でも配車マッチングシステムサービスを開始します。
すべてシステム化というのではなく、まずは人+システムの体制をご検討されてみてはいかがでしょうか。