物流コスト削減を捻出するための考え方-包装費の視点

船井総研ロジ

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現在の物流事情は物流企業側が強硬な姿勢で交渉を行ってくることもあり、コスト削減という取り組みは険しい道のりとなっています。

特にtoC事業を行っている荷主は大手宅配会社に頼らざるを得ないため、非常に厳しい環境下でしょう。

昨今では大手宅配会社が20%~30%ほどの値上げ交渉をしてきており、今後段階を踏んでレギュラー運賃に近づける可能性もあります。

そのため、コスト削減というよりもコストセーブ(いかに現状の物流費を維持するか)に注力するべきです。

では、現在の物流業務でコスト削減は出来ないのか?

答えから簡潔に申し上げるとNOです。

物流費は大きく分けると輸送費・保管費・荷役費・包装費・物流管理費に分けられますが今回は包装費の部分に着目し、コスト削減を実行するための考え方をお伝えします。

【包装費における物流コスト削減の考え方】

日本ロジスティクスシステム協会の2016年度物流コスト調査報告書【概要版】によると全業種における物流費の構成比は輸送費:56%、保管費:20%、・荷役費:15%、・包装費:4%、物流管理費:6%となっています。

包装費は全体の4%と最も低く、見過ごされがちな部分でもあります。ただ、包装費は消費材であるため必然的にかかるべき費用です。

コスト削減のインパクトが低いため軽視されがちですが、削減できる部分は削減するという強い意識が必要となります。

では、包装費を削減するためにはどのような手法があるのか?

これは主に2つに分けられます。

1つは包装している資材自体の質・使用用途を見直すことです。質・使用用途を見直す場合は、現状の包装手法が適切なのかを見極めることが重要となります。

例えば、

  • ダンボールの材質は取り扱っている商品に適しているか?
  • 過剰な緩衝材、テープを使用していないか?
  • 現場作業員の使い勝手を重視した資材になっていないか?

などです。③に関しては、現場の作業生産性を重視するために考慮すべき点ですが、絶対とは限りません。現場作業員がなぜその資材を使用しているのか?どれほどの生産性が向上しているのか?一度数値で見える化することをお勧めします。

もう1つは現状の資材単価よりも廉価な仕入先を見つけることです。

見つけるには日々の情報収集が欠かせません。

基本的なことですが出来てない企業を見受けることがあります。

物流に関する雑誌・新聞・インターネットから情報を抽出することは今や容易です。

また、展示会などに参加し最新の情報を仕入れることで多様な仕入れ先を知ることができるでしょう。

私がこれまで関わりがあったお客様の中には、自社で情報収集に努め市場価格よりも20%ほど安価に仕入れている荷主もいました。

是非トライしてみて下さい。

【共同購買の取り組み・サービスの活用】

ただ、自社だけのボリュームで安価に仕入れるには限界があります。

そういった企業は共同購買という取り組みまたはサービスを活用することをお勧めします。

共同購買は他社企業と合同で購入するため、自社だけでは限界のある単価を下回ることが出来るでしょう。

自社でハンドリングするには負担が多きすぎる場合は共同購買のサービスを提供している業者に問い合わせてみるのも1つの手段です。

特に物流に特化した事業(コンサルティング業務や3PL業務)を行っている業者は、仕入れ企業と多種多様なネットワークを構築しているため廉価に仕入れることが出来るかもしれません。

また、共同購買サービスを提供している業者の中には発注管理も行っている場合もあるため、そういった企業を活用することで自社の発注業務を簡素化し、本業に集中出来るメリットも発生します。

【共同購買を効果的に活用する秘訣】

共同購買を効果的に活用する秘訣は納品先を複数拠点にするのではなく、1拠点に纏めてしまうことです。

これは、仕入れ単価に配送費も含まれることが多いためです。

納品先の拠点数が多ければ多いほど車両台数は必要となるため仕入れ単価は必然的に上がります。

1拠点であれば仕入れ業者は1台の車両で納品が出来るため廉価に仕入れることが可能なのです。

ただし、1拠点に納品した後、他拠点に転送する必要が出てきます。

では、どうやって他拠点に納品するのか?その際には物流業務を委託している企業(自社物流を行っている場合は自社)の横持ち便(拠点間移動便)を上手く活用してみて下さい。

横持ち便は定期的に運行していることが多く、余白スペースが生まれることもあります。そのスペースを有効活用出来れば、1拠点納品したほうが廉価に済むでしょう。

以上が包装費における物流コストの考え方です。

一度、共同購買サービスを活用してみてはいかがでしょうか?

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