共同物流成功の鍵は中立的立場の存在にあり

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新関 崇浩

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

前回のメルマガ(2017年2月17日 http://www.f-logi.com/blog/flogipov04/),において、運転手不足と貨物運送事業者数の推移から,輸配送の共同化がさらに促進されていくだろうという話をさせて頂きました。

ですが、残念なことに、輸配送の共同化だけでなく共同配送センターの導入や物流情報の共同化に関する検討を行っても検討のみで終わってしまったり、もしくは実現した取組があってもなかなかうまくいかず断念したという話を耳にする事が多いのが実情です。

何が原因で共同物流がうまくいなかったのか、その内容について荷主サイドから話をお伺いしていくと、

2つの共通点があることがわかりました。

1:共同物流での目的が何なのかを明確にしていない

共同物流の導入によって得たい目的が明確に定まっていないと感じられます。

コストダウンなのか、品質やサービスの強化なのか、他社ノウハウの取り込みなのか、もしくは二酸化酸素削減による環境への貢献による企業イメージの向上なのかなどその目的は様々です。

目的を達成するためには何が必要で、どのようなステップを踏むべきなのかその先を捉えておくことが肝要です。

最初に目的や優先順位を明確に設定しておかないと物流パートナー選択の基準もあいまいになってしまい判断ミスを発生させてしまう可能性があります。

その為今一度自社が共同物流によって達成したい目的が何なのかを考えていただく必要性があります。

2:中立的立場(調整役)の不在

共同物流の効果を最大化させる為に競合関係にある荷主企業同士が直接交渉を行った場合は、自社の利益確保を優先させようとするあまり枝葉末節にこだわり過ぎてしまい、共同物流が成功しなくなってしまうケースがあります。

このような各論反対の壁を崩すためには、3PL事業者や物流コンサルタント等第三者的な立場から全体を俯瞰し、参加する全プレーヤーの利益享受に配慮する事が出来る中立的な立場の人間が必要ではないでしょうか。

共同事業を成功させるためには、中立的な立場の人間が存在する事で、各論の部分に関する問題に直面しても、共同物流で双方が達成したい目的が何だったのかという原点に立ち戻らせる事を促せたり、大局的な視点から意見や判断を下す事が出来るため、潤滑油としてうまく機能し、競合関係にある荷主企業同士の共同物流を成功に導ける可能性を高めることが出来ます。

言うまでもありませんが、中立的な立場の企業を選定する際には、分析力・仮説力・調整力・推進力等の能力を保有しているかをしっかりと見極め、また荷主企業同士が信頼できる企業であるのかを判断していただく必要性があります。

前回お話させていただいたように運転手不足の対策だけでなく、配送効率や積載率の向上、宅配便以外での輸送網を構築させていこうと思うと、共同化の道を模索せざるを得なくなってくるかと思いますので、上記の点に留意しながら、物流の共同化に取り組んでいただければと思います。

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新関 崇浩

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

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