物流コンサルタントの視点 2020.04.23

物流子会社の外販獲得に必要な3つの力とは?

物流子会社の役割

物流子会社は、親会社(荷主企業)の物流部門を子会社化し、親会社に対して安定かつ専門的な物流サービス提供の役割を担ってきました。

つまり、親会社からの指示に対して、迅速・忠実に従うことが求められ、その指示に対応すべく業務を遂行してきたのです。

しかし、親会社の方針転換により、親会社の物流業務だけではなく、物流子会社自ら外販を獲得し、グループ外での収益獲得へシフトすることになったという話を聞くことは少なくありません。

物流子会社と3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)

一方で、3PL企業はなぜ特定の業界に限らず、物流業務を担うことができているのでしょうか?

3PL企業も、ある程度業界ターゲットを絞って物流業務を担っています。しかし、比べるまでもなく、3PL企業の方が業務の幅は広いです。

ここで注目すべきポイントは、物流子会社には無く、3PL企業にあるものは何なのか?です。

それが分かれば、物流子会社に不足している機能を強化することができ、外販獲得につなげることできるのではないでしょうか。

物流子会社に必要な力(1)情報収集力

物流子会社はこれまでの経験値およびネットワークから親会社の業界情報を保有しています。しかし、それ以外の業界は、まったく情報収集ができていません。

親会社の業務を全うすることが求められていたため、これまで親会社以外の業界の情報収集は必要としていなかったのです。

・他業界では物流面でどのようなサービスを提供しているのか?
・競合となり得る3PL企業や外販比率を高めている物流子会社はどのような取組みをしているのか?
・競合他社はどのように収益をのばしているのか? 等

情報収集力の強化は企業に変革を及ぼします。

集めた情報から自社の差別化要素を検討する機会が生まれ、どのような物流サービスを、どの業界へ展開できるか、検討を進めることが可能になります。

物流子会社に必要な力(2)改善提案力

物流業界全体を通していえることですが、親会社(荷主企業)からの指示や依頼をもとに物流業務が発生します。

その構造から物流企業は受け身の姿勢になる傾向があります。物流子会社の場合、本社と現場の組織構造がこれに該当します。

どちらかが一方的に主導権を握るような組織は好ましくありません。

物流実務を担っている現場も物流業務における改善提案を積極的に行なっていく必要があります。

本社主導で行なっても、実際に行なうのは現場の方々です。納得して改善を進めていくためには現場も積極的に改善提案ができる社風・環境・制度をつくることが重要です。

荷主企業が物流企業に求めることは継続した改善提案力です。荷主企業が求めていることを汲み取り、物流面で提供できるサービスを考えていかなければなりません。

物流子会社に必要な力(3)自ら変わる力

親会社の仕事にプライドを持つことは良いことです。しかし、限られた世界にとらわれず、視野を広げる必要があります。

そのためには、新しい風を取り入れること、つまり中途採用による他業界で経験を積んだ人や新卒を積極的に採用し、新しい意見を取り入れる風土を醸成することです。

世代や経験に関わらず、多様な人材が集まることで、多角的な意見や考えを取り入れることができます。

そして、新しい風を運ぶ人たちの意見を積極的に聞くことです。最初は変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、「そういった考えもあるのか」といった柔軟な姿勢が新たな発想へつながります。

最後に

経済情勢及び物流業界が変化する中、物流子会社も変化を求められています。この変化に適応できるかどうかが、企業の価値を高め、存在意義を確立することにつながります。

Funai物流オープンカレッジでは、物流激変時代における物流子会社の生き残り戦略について解説いたします。物流子会社の客観評価手法から、目指すべき方向性を導く戦略立案手法まで詳しくお伝えします。

ぜひ、この機会に物流子会社戦略を学んでみてはいかがでしょうか。

Pen Iconこの記事の執筆者

田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

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