物流子会社の「業界トップシェア獲得」へ向けた動きとは

Pen Iconこの記事の執筆者

田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 執行役員 兼 コンサルティング本部 副本部長

製造業・小売業を中心とした荷主企業に対して、物流戦略策定の支援を行い、物流拠点の見直し、コスト削減策の提案、物流コンペの支援を数多く行ってきた。また、物流子会社に対しては存在価値、あるべき姿の策定、他社との競争力評価(物流子会社評価)を行っている。得意なカテゴリーは、化学、日用雑貨など。また、物流をテーマにした数少ない女性コンサルタントとして、脱炭素、ESGロジスティクス実行に向けた研修やコンサルティングを行っている。

≫ 荷主企業(製造・卸・小売業)向けコンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

物流子会社は親会社のベースカーゴを中心に業務を行っています。

一方で成長戦略を描いた際に、親会社依存からの脱却を目指します。

親会社のベースカーゴで培った経験、ノウハウ及びそれを元にしたサービスを他業界へ展開することが必須となります。

これは、親会社への「依存」から「自立」へ向かうための第一歩として必ず通る道と言えます。

近年の物流子会社の成長戦略の傾向として、外販獲得を推進する方向に変わりはありません。

しかし、他業界への展開を積極的に行うというより、既に構築したネットワークに不足している機能を如何に補完し、業界におけるサービスの位置づけを向上するのか?を考えている物流子会社が見受けられます。

このような物流子会社の共通の課題は、リソース不足が理由で業務範囲が制限され、外販拡大の成長スピードを鈍らせているということです。

例えば

・幹線輸送は得意としているが、ユーザーへの個別配送に対応できるノウハウがなく、完全に他社へ委託している。そのため新しい取り組みは自社に蓄積されない。
・集荷及び納品先へ配送する車両とネットワークは豊富にあるが、倉庫運営のノウハウがなく、倉庫と配送の一貫した提案・競争力のある価格提供ができていない。

このように、サービス領域の拡大を図る企業が自社に不足している機能をカバーするためには、同業他社との協業による新サービスの提供や、業務提携によるリソースの拡大によって競争力をつけ、新たな荷主の獲得を進めていくことが必要になります。

最近では、人員不足特に後継者不足により、地場の物流企業から大手物流事業者へ会社売却の声がかかることも少なくはありません。

新たな設備投資もしくは老朽化した設備の改修、営業活動や業務拡大時の必要人員の準備など、物流企業の体制を維持するために必要な対策を地場の物流企業だけで整備するには困難な場合があります。

そこを機会と捉えた物流子会社が水面下で動き始めているのです。親会社と同じ業界に固執することなく、今まで培ったノウハウで他業界へ展開するという考え方もあります。

しかし、例えば「医薬品業界」一つとっても、薬局やドラッグストアで購入可能な医薬品から、病院や診療所で使用し、医師の処方が必要な医薬品とその流通チャネルは多岐に渡ります。

親会社の周辺領域だけでなく、対象としている業界の他領域までアプローチできているでしょうか?

国内の物流環境変化に対応することが困難になりつつあるこの時期に、対応できない企業の業務領域を取り込み、業界シェアの向上を図る機会と言えます。

物流子会社の成長戦略策定における事業領域拡大において、具体的な実行策の選定を検討されている企業様はぜひ弊社までご相談ください。

貴社の現状と今後の成長に合わせた具体施策を策定いたします。

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田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 執行役員 兼 コンサルティング本部 副本部長

製造業・小売業を中心とした荷主企業に対して、物流戦略策定の支援を行い、物流拠点の見直し、コスト削減策の提案、物流コンペの支援を数多く行ってきた。また、物流子会社に対しては存在価値、あるべき姿の策定、他社との競争力評価(物流子会社評価)を行っている。得意なカテゴリーは、化学、日用雑貨など。また、物流をテーマにした数少ない女性コンサルタントとして、脱炭素、ESGロジスティクス実行に向けた研修やコンサルティングを行っている。

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