物流拠点計画は必要性・重要性の明確化が成功のカギ!
物流拠点はその企業の物流サービスレベルを決定づける根幹であり、物流網の再構築に大きな影響を与える要素の一つです。
荷主企業が昨今、物流拠点の増設や分散を検討する目的は「サービスレベルを維持するための拠点分散」や「売上拡大に伴う拠点増設」「災害発生時のBCP対策」など様々です。
特に最近では5年、10年後の国内物流環境を見据え、商品を運べなくなるリスクを喫緊の課題と捉えて物流拠点の見直しを検討している企業も少なくありません。
しかし、拠点計画と聞いてもどのように計画すれば良いかわからない企業様も多いのではないでしょうか。
弊社で拠点計画策定を実行する場合にまず行うことは
「拠点計画を策定する必要性・重要性を明確にし、優先順位を付けることです。」
ここで言う必要性・重要性というのは「なぜ拠点計画が必要でどのような拠点が必要なのか」ということです。
弊社では少なくとも下記5つのポイントを明確にすることで拠点計画を策定するべきと考えています。
- 拠点計画を「なぜ」策定するのか?
→拠点計画を策定する目的(コスト・キャパシティ・BCP・サービスレベル)
②拠点計画の目的実行に必要な要件は「何」か?
→目的実行に必要な機能(輸配送・保管・作業・情報システム)は何か?
→機能向上に必要な要件(倉庫・車両・委託会社・作業人員・マテハン・パートナー企業)は何か?
- 拠点計画では「どの」要素の優先度を高くするのか?
→拠点計画を実行する目的・要件を満たすための優先順位を明確にする
- 「どこで誰が」拠点運営を行うのか?
→目的・要件を整理し拠点を配置するエリア・運用方法を検討する
- 「どの程度」の倉庫規模で、予算はいくらか
→要件に見合う倉庫規模・予算を明確にする(費用対効果)
この必要性・重要性が明確であればあるほど拠点計画も緻密に策定することができます。
逆を言えば、上記ポイントが曖昧であればあるほど、拠点計画が不明確になり進捗遅れも生じやすくなります。
拠点見直し時は必ず既存契約を考慮したものになるため、契約終了までの時間が変わらない中で検討が遅れることは致命的です。
突貫で拠点変更を進めると最後に大きなしわ寄せが顕在化し、拠点立ち上げ時に大混乱する原因になります。
安定した新拠点の立ち上げは、検討開始時の拠点設置の目的設定にあると言っても過言ではありません。