倉庫内業務を受託している物流企業の管理者必見!金の卵を見つける3つの「当たり前」チェック

船井総研ロジ

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国内物流環境が大きく変化したことで物流企業と荷主企業のパワーバランスが逆転し、物流業界は全体的に値上げ基調にあります。

ドライバーの就業環境良化に向けた運賃適正化を始め、人件費高騰による荷役作業費も値上げを進められています。

しかし、荷主企業も社内への理解を得るために提示額をそのまま受けることはできず、物流業務の委託先に値上げが絶対に必要であるという根拠資料の要求や値上げ幅の縮小を求めます。

結果、物流企業の値上げ意向の100%を受け入れられることはまだまだ難しいようです。

値上げ効果もあり、一部の物流企業は増益の決算報告がみられましたが、苦しい状況が打開された企業は一部でしょう。

人件費高騰や採用難の状況を見ると今後も値上げ交渉が継続的に進められることが想像されます。

しかし、値上げ交渉だけが利益構造の良化策ではありません。私が数多くの物流現場を見る限りは物流企業の自社内にもまだまだ金の卵が眠っていると考えています。

今回は倉庫作業に焦点を当て、自社内に金の卵が眠っている企業の特徴を3つご紹介致します。

①繁忙期と閑散期で生産性(月間出荷件数÷月間総工数)が20%以上の差がある

倉庫現場本来、繁忙期には人員を増員し、閑散期には人員を絞り、物量波動に合わせた人員計画を行うことにより、生産性は年間通して一定であることが理想です。

しかし、閑散期に対して繁忙期の生産性が20%以上低くなる、または20%以上高くなる倉庫現場があります。

繁忙期の方が生産性が高い場合、繁忙期の生産性が真の姿であり、閑散期には作業者が溢れ、生産性が低下していることが考えられます。

倉庫現場のスタッフも忙しい時期と余裕のある時期で意識が変わります。繁忙期は次から次へと業務が舞い込んでくるため、少しでも早く処理を進められるよう意識します。

しかし、余裕があるとそれぞれのペースで進め、多少作業が滞留しても時間内に完了する経験値を持っています。

そのため、繁忙期のような意識にはなりません。

現場の管理者は物量に合わせて出勤人数や出勤時間を調整し、常に作業スタッフにとって忙しい(=常に仕事がある)環境を作らなければなりません。

これにより、閑散期でも繁忙期と同等の生産性で運用可能となります。

※繁忙期間中、1件当たりの物量が増加することにより、手数が減少することで生産性が上がる場合もあります。

1件当たりの物量が大幅に増加していないかも併せてご確認ください。

一方で、繁忙期の方が生産性が低い場合はどのような原因が考えられるでしょうか。

よく見られるのは、繁忙期の増員調整を時間当たり単価が高額となる派遣スタッフやレギュラースタッフの残業で補われているケースです。

派遣スタッフは当然レギュラースタッフと比較して高額な人件費であるにもかかわらず作業経験の差により、生産性が低下します。

また、レギュラースタッフの残業も、25%割高になるうえ、通常勤務の疲労による生産性低下も起因します。

このような現場で必要な施策は次の施策が必要となります。

・事前に必要人員を算出し、採用活動を行うことでレギュラースタッフの母数を増加させる
・業務の改善により必要人員を抑制し、レギュラースタッフのカバー範囲を広げる
・作業標準化により派遣作業員の生産性の底上げを図る(合わせて派遣作業員の管理工数を削減)

②現場で工程別の生産性を管理していない

貴社の現場では入荷検品・格納・ピッキング・出荷検品・梱包などの工程別生産性を管理されていますか?

まだされていないのであれば、それは紛れもなく金の卵です。

工程別生産性を正確に把握することで、各工程の適正人員を算出できます。

管理されていない場合は、直感で各作業工程に人員を配置し、都度進捗確認を行い、必要に応じて配置繰りをする運用が想定されます。

その場合、作業者の行き来という付加価値の無い時間が生じます。

また、一つの作業のみ突出して進行し、前工程が追い付かず、手待ちが発生する懸念もあります。

付加価値の無い移動や手待ちなどにより、気づかぬ間に利益が流出しているのです。

③現場に作業手順書がない、または現行運用に更新されていない

作業手順書がないということは、業務が標準化されていないということになります。

つまり作業者によって、効率的で高品質な作業をされている方がいる反面、非効率で付加価値を担保できない手順で作業をされている方が共存しているということです。

効率的で高品質な作業を手順書に落としこみ、現場スタッフ全員に浸透させることで、全体の生産性が底上げされます。

また、作業手順一つひとつに基準時間を設定することも有効です。

その累積時間が本来の工程別生産性になり、②の作業別生産性の実績と比較する指標となります。

実績との乖離を埋めるため、作業手順書と実作業を作業者単位で比較し、全員が同じ手順で同じ生産性、同じ品質を提供できる体制になります。

そうすることで顧客からも喜ばれる現場となり、ついては利益も上がる倉庫現場となります。

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