パレット標準化とは?導入の際の注意点まで徹底解説

西川琉瑠

Pen Iconこの記事の執筆者

西川 琉瑠

船井総研ロジ株式会社
ロジスティクスコンサルティング部

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国土交通省は物流業界の労働力不足への対応として、標準パレットの利用を推進しています(注1)。これは、国が定めた規格に沿ったパレットを使用することによって、物流業界の作業効率化をはかることができる仕組みです。

パレット導入の最も大きな効果は、トラックへの手積み・手降ろしが無くなることによる、ドライバーの負担削減ではないしょうか。パレット導入は、2024年問題への対策としても有効ですので、持続的な企業の経営活動(ESG経営)を促進することも可能になります。

パレット導入の注意点

➀取り扱い商材との相性

一口にパレット化を進めると言っても、取り扱う商材や荷量、荷姿などを十分に考慮し、パレット化を検討する必要があります。

例えば長尺物であれば、形状の面からバランスが取りにくく、パレットに高く積み付けることができません。また、国土交通省の標準パレットの規格では、平面サイズ1,100㎜×1,100㎜、最大積載質量1,000㎏となっており、重量物を取り扱う場合は規格を超過しないよう注意する必要があります。

パレット標準化とは?導入の際の注意点まで徹底解説
図1 標準仕様パレットの規格(国土交通省)

➁保管スペースとコスト

パレットを導入する上では、輸送面だけでなく在庫保管の面からも考える必要があります。パレットは四角い形状をしており、ある程度高さもあります。そのため、パレット導入前と比較して庫内の保管スペースが減少し、保管コストの上昇に繋がってしまうのです。

また、パレットを移動させるためのフォークリフトの旋回スペース等も考慮すると、従来よりも多くの保管スペースが必要となります。加えて保管スペースと同様に、パレットの体積分、トラックの積載率も減少してしまうので、その点においても注意が必要です。

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さいごに

今回は、パレット導入における注意点をご紹介しました。作業負担が削減されるというメリットもある一方で、新たに必要となるスペースの確保やコスト増などのデメリットもあります。増えるコスト・減るコストをしっかりと把握し、パレット導入が長い目で見たときに自社に良い影響を与えるか、見極めが重要です。また、長期間のパレットの導入に悩まれている場合は、レンタルをすることで一時的にパレットを使用する事も可能です。

2024年問題への対策の1つとして、ぜひ、パレット化を検討してみてはいかがでしょうか。

※注1:パレット標準化に向けた取組について(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001751646.pdf

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