2024年問題を乗り越える物流戦略 ~2025年、荷主企業が生き残るために必要なこと~
2024年問題を皮切りに、物流業界は大きな転換期を迎えています。ドライバー不足、輸送コスト増加、規制強化など、荷主企業を取り巻く環境は今後もさらに加速するでしょう。
2025年に向け、荷主企業はどのような物流戦略を立てるべきでしょうか?
本コラムでは、2024年問題を踏まえて荷主企業が生き残るために必要な視点と対策をご紹介します。
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目次
2024年問題の影響
2024年4月、働き方改革関連法の施行(厚生労働省)により、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が規制されました。しかし、これまで通りの物流品質を維持するためにも、荷主企業には輸送コストの上昇や配送リードタイムの延長など様々な課題への対応が迫られています。
2025年に向けた荷主企業の行動指針
2025年以降も安定かつ強靭な物流体制を構築し、企業経営を継続させるためには、2024年問題を単なる「一時的な危機」と捉えるのではなく、物流改革の契機と捉えることが重要です。
以下、荷主企業が取り組むべき具体的な行動指針を3つの視点から解説します。
1.輸送効率の最大化:モーダルシフトの推進
従来のトラック輸送に依存している物流体制を見直し、鉄道・船舶・航空などの輸送方法に切り替える「モーダルシフト」を積極的に進めることが重要です。
自社の取扱い商材や取引先の特徴によってどの輸送モードを使用するかは分析が必要ですが、今後さらなるトラックドライバーの不足に向けてトラック輸送以外の長距離輸送方法についても今のうちに検討しておくことが必要です。
2.サプライチェーン全体の最適化:情報共有で連携強化
荷主企業は、サプライヤー、物流会社、販売会社などのサプライチェーン全体に関わる関係者との情報共有・連携強化が重要です。
サプライチェーン全体を俯瞰し情報共有を行うことで、需給変動への対応力強化や、リードタイム短縮、在庫削減など、様々なメリットを生み出すことができます。具体的には、需要予測情報の共有、在庫状況の共有、輸送状況の共有などが挙げられます。
3.DXの推進:自動化で人材不足を解消
人手不足が深刻化する現在、物流業界では自動化が着目されています。特に、庫内作業の自動化は、人手不足を解消し生産性の向上が期待できることから、コスト削減の実現が可能です。
倉庫内作業の自動化として、例えばAGV/AMRによる自動搬送や、ピッキングロボット、自動倉庫などの導入が挙げられます。また、WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸送管理システム)などの物流システムを活用することで、物流業務の効率化、可視化、そして最適化を図ることができます。
さいごに
2025年に向け、荷主企業は従来の物流のあり方を見直し、新たな時代に対応した物流戦略を構築していく必要があります。
2024年問題を乗り越え、持続的な成長を遂げるために積極的な改革を進めていきましょう。
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