荷主企業の物流リスクをスコア化?改正法に関する今後の動きについて
「2024年問題」に対応するため物流関連2法の改正案が成立し、荷主企業への法規制が本格始動しました。法改正や物流環境の変化に伴い「自社の運賃水準がどのレベルなのか?」「2024年法改正によってどのようなリスクがあるのか把握・改善したい」といったニーズが高まっています。
弊社におきましては、今年に入り「行政指導リスク」に関するご相談が急増しています。取引先や物流会社の協議に応じず取引価格を据置きした等の理由で各企業・各団体が公正取引委員会によって社名公表されました。
企業名の公表は多くの企業にとって信頼失墜となり最も避けるべきことです。公表による企業イメージの低下だけでなく、経営面における社会的なダメージも小さくないでしょう。物流会社及び行政の判断基準を正しく把握し、責任ある企業として自社の「行政指導及び取引継続リスク」と「取り組みの正しい方向性」について理解しておくことが重要です。
法改正はいつからなのか?
改正法は全ての荷主企業・物流事業者に対する努力義務が2025年度から施行され、規模の大きい特定事業者に対する中長期経営計画の提出や定期報告の義務付けは2026年度から執行されます。具体的なスケジュールは以下の通りです(図表①)。
2024年6月には改正物流法(物流総合効率化法・貨物自動車運送事業法)に基づく、基本方針や判断基準などを検討する国土交通省・経済産業省・農林水産省所管の審議会合会議が開催され、荷主企業の取り組み状況を点数化や特定荷主・物流事業者による物流改善の実施状況のランク分けを行う等、市場からの評価に繋がる仕組みについて話し合われました。
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国の調査方法について
法改正は荷主企業の取り組み状況を国が調査・公表するとされていますが、全ての荷主企業を網羅的に調査することは困難であるため、物流事業者へのヒアリングや回答内容に基づいて「荷待ち・荷役時間短縮に向けた取り組み」や「積載率向上への取り組み」などを項目別にスコア化して点数の高い企業及び低い企業を公表すると示されています。
特定荷主・物流事業者による物流改善の取り組みもランク評価による見える化を行い、市場からの評価に繋げる方針です。優秀企業は公表し、改善が停滞している企業は注意喚起や立ち入り検査を実施し、企業ランクに応じた対応を講じるとされています。
現時点では評価に繋げるための具体的な仕組みの構築は検討段階ではありますが、既に省エネ法の工場規制では企業ランク評価の仕組みを構築されており、これらの制度を検討視点とされています(図表②)。
さいごに
自社の物流において持続的な成長を実現するためにも、法令遵守が最優先事項であることを意識し、責任ある企業として物流リスク(行政指導及び取引継続リスク)を正しく理解しておく必要があります。
船井総研ロジが主催する「~荷主企業の物流リスクをスコア化~リアル診断型セミナー」では物流業界の課題と行政の監視体制強化への対応策や物流リスクを正しく理解し、物流コスト・品質・持続可能性の最適化に向けたポイントについて解説いたします。先着20社となっておりますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。
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- ・物流コスト・品質・持続可能性の最適化に向けたポイント整理
- ・荷主企業の物流リスク(行政指導及び取引継続リスク)レベルの把握
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