競争力を高める!物流拠点最適化 5つの基本ステップ
物流拠点は、顧客からの受注に基づき、注文内容に応じた商品を納品するための重要な起点となります。商品の出荷拠点および配送サービスが、顧客への納品内容や納品先に最適化されていない場合、配送時間の長期化や配送コストの増大を招く可能性があります。
そのため、適切な物流拠点の配置および運営は、企業の競争力に大きく影響を及ぼします。
本稿では、物流拠点の最適化を目的とし、顧客分布の分析から拠点内の作業設計まで、計画策定における5つの基本ステップについて解説します。
- 【関連する無料ダウンロード資料】
- ≫ ポスト2024の物流戦略
目次
拠点計画策定の基本5ステップ
1.顧客分布の分析
物流は「どこにどれだけ届けるのか」から考えます。そのため、まずは地図上に顧客をマッピングし、納品先を視覚的に理解することが重要になります。
2.顧客に提供する物流サービスの決定
物流サービスとは以下の2点に分類されます。
① 競合他社との比較において競争優位になる、本当に必要なサービス
② 過去からの取引慣習で、「商習慣的に利用している」程度の必ずしも顧客ニーズに合致しない物流サービス
荷主企業と物流企業の力関係が逆転している現状において、特に②のような顧客が必要としていないサービスを見直し、精査することで、物流戦略の幅は大きく広がります。
拠点設定のステップにおいて物流サービスを決定することにより、物流企業とって魅力的な業務内容であるかが明確になり、出荷前に物流拠点で何をしなければならないのかが確定します。
3.配送手段の決定
配送手段を決定する視点は以下の2つがポイントとなります。
① 受注締め時刻から納品先までの制約時間
② 1件あたりの納品物量
それぞれを考慮しながら、路線便や共同配送便、自社便等の配送手段を選定する必要があります。
4.物流拠点の設置エリア、規模、機能の決定
納品数の多いエリアに物流拠点を配置するとリードタイムは短縮できますが、それが都市部近郊となると賃料が高額になります。そのため、顧客への距離を短縮し機会損失を最小限に抑えるか、あるいは賃料を抑えるべく郊外に拠点を構えるかの選択が必要です。
それぞれの要素を考慮することで設置エリアを決め、エリア内を網羅的に配送するのに必要な拠点能力を測ったうえで規模を決定する必要があります。
5.物流拠点内の作業設計
物流拠点に求める入出庫および、在庫保管能力が決定されると、それを実行するための保管と倉庫内作業の具体的な設計が可能になります。
倉庫内作業の設計では、効率性、安全性、拡張性の視点が不可欠です。作業動線を最適化し、事故防止策を講じつつ、将来的な物量の変化にも柔軟に対応できる設計が求められます。
さいごに
物流拠点の最適化は、企業の競争力を高める上で不可欠です。本稿で解説した5つのステップを踏むことで、顧客ニーズに合致した効率的な物流拠点を構築できます。
変化の激しい現代において、物流戦略は常に進化が求められます。定期的な見直しと改善を行い、持続可能な物流体制を構築していきましょう。
ぜひ、これらのステップを参考に、貴社の物流拠点最適化に取り組んでみませんか?
【関連資料】ポスト2024の物流戦略

本資料では、物流業界が抱える課題と、2025年以降荷主企業が対策すべきポイントを解説します。
【資料を読むと下記のことがわかります】
・労働人口の変化
・ドライバー年齢層の変化
・倉庫、物流拠点の在り方
・問題解消のための対策ポイント …他