共同配送の実現に向けた第一歩!荷主企業が事前に準備すべきこととは?
近年、2024年問題や物流コストUPがより深刻化しています。多くの荷主企業が「物量が少ない過疎地では、物流会社も減少し、 安定的に供給することが困難になってきている」「小口貨物が多く、積載率が低い。ドライバー不足もあり、コストが上昇している」等、様々な物流課題を抱えています。
配送効率化を図る手段の1つとして「共同配送」が挙げられます。
本稿では荷主企業が共同配送を進める上で、抑えておくべき事前準備(段取り)を整理し、その重要性をお伝えします。
- 【関連する資料】
- ≫船井総研ロジが構築した「共同配送」事例 VER.1
目次
共同配送とは?
共同配送とは、これまで個別に配送を行っていた複数の荷主企業が、トラックやコンテナなどを共同で利用することにより、配送する荷物を積合せた輸配送を指します。
この輸送方法は、複数の荷主企業が協力し、物流コスト削減や環境負荷軽減、配送効率UPすることを目的としています。
共同配送の実現に向けた具体的な段取り整理
1.現状の可視化
輸配送データ(出荷量、配送頻度、配送先、積載率、車格・車両台数)、配送コスト、納品リードタイム、配送ルート、輸送条件などを整理しておく必要があります。自社の物流状況を可視化し、非効率な配送ルートや積載率の低い区間を特定するところが、検討を進める上での起点となります。
弊社では実際の納品先の配置を地図上にプロットし、配置やどのような物流条件(荷姿やリードタイム等)、物量で配送されているのかを定量・定性的に把握するところから始めます。
まずは自社の現状を正確に把握し、課題を明確にすることが重要です。
2.共同配送の目的・方針の明確化
共同配送を検討する上で何を目的として行うのか、社内で認識をきちんと合わせておく必要があります。コンセプト設定や自社の制約として外せないものなどを経営層も交え、整理して進めていく必要があります。
コスト削減が目的なのか、CO2削減が目的なのか企業によって目的はそれぞれあるかと思いますが、短期的メリットだけでなく、長期的な視点から方針を明確にすることが重要です。
3.データ整備・管理強化
自社の現状を定性/定量から正しく捉えるためには物流データ・情報の整理が大前提となります。そこから物流機能別(調達・輸送・配送・荷役・保管)に実態(関係性)を把握していきます。
「1.現状の可視化」でも述べた通り、輸配送データやコスト周りのデータ収集及びデータ形式を統一し、Excelやシステム上で一元管理できる状態にしておく必要があります。
共同配送を進める上では物流効率やコスト効果をbefore/afterで「見える化」できる状態に整備しておくことが重要です。
さいごに
船井総研ロジが主催している、物流責任者向け勉強会「ロジスティクス・リーダーシップ・サロン」では、次回2025年3月24日の例会にて「共同配送の構築」に関する講座も行う予定です。
「パートナー企業を見つけることが難しい」「特定の商材や地域条件による制約やシステムが異なる」「データに基づいたコスト・利益配分について」等、課題を抱えている方は、是非無料のお試し参加から足を運んでいただければと存じます。
【関連サービス】荷主企業 物流責任者のための交流組織|ロジスティクス・リーダーシップ・サロン(LLS)
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全国各地から荷主企業(製造業・卸売業・小売業)の物流責任者が集まる会員制の勉強会です。
アットホームな集まりで活発な議論や知識共有・知見の幅を広げることで、サスティナブルなロジスティクス体制の構築を実現することを目的にしています。