在庫移管計画の重要性
前回のコラムでは新拠点の立ち上げにおける「WMS構築の流れ(開発~連携)」について解説しました。
今回は旧拠点から新拠点への「在庫移管」に焦点を当てて述べていきます。
目次
在庫移管にトラブルはつきもの
在庫移管は新拠点立上げに向けた最後の重大な局面です。
在庫移管で現場が大混乱し、新拠点の立ち上げが予定通りに進まないという事例が多くあります。
在庫移管の成功は「移管が完了した在庫が新拠点のどこに何個あるかをすべて把握できる状態」を指します。
すべての在庫を旧拠点から新拠点へ移菅すれば、成功というものではありません。
移管が完了した在庫の保管個数・保管場所をすべて把握できる状態にするためには、車両手配だけでなく、在庫の受入手順や入庫から格納にかかる所要時間など、計画段階から慎重かつ入念に検討しなければなりません。
在庫移管計画時の検討項目
在庫移管を計画時に検討するべき主な項目は下記の通りです。
在庫移管対象物量の算出
新ロットは新拠点へ直納することも事前に計画しましょう。
在庫移管対象物量分の車両台数の算出および手配
車両手配は荷主企業・新委託先物流会社・既存委託先物流会社のどこが行うのかを決める
在庫移管スケジュール
大型連休を利用し、まとめて移管するのか。長期間かけ、少しずつ移管するかを決定する
移管に関わる人員数および役割の決定
在庫移管の時間ごとのスケジュールと入出庫する車両台数に合わせた人員配置を行う
出庫方法
出荷する順番・出荷作業にかかる時間・データ処理のタイミングの決定する
入庫方法
入荷した在庫の格納ロケーション・入荷作業にかかる時間・データ処理のタイミングの決定
在庫移管作業期間の専用連絡網
荷主企業・新委託先物流会社間の連絡体制を構築する
トラブル発生時の対処案の策定
想定されるトラブルに対する事前検討を行う
在庫移管の成功は事前の計画がカギを握っている
もちろん、このほかにも様々な項目で、計画および準備が必要です。
在庫移管の成功は事前の計画にかかっていると言っても過言ではありません。
現場の詳細設計やWMSの開発に時間を取られ、在庫移管計画が疎かになる事例もあります。新拠点の立ち上げの際は、上記の検討項目を改めて確認し、入念な在庫移管計画を検討することが肝要です。
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