【罰則付き義務化】今年の夏、職場の熱中症対策は待ったなし!
夏の猛暑は年々厳しさを増し、職場での熱中症リスクが高まっています。この状況を受け、2025年6月1日から労働安全衛生規則が改正され、事業者による職場での熱中症対策が義務化されます。違反には罰則が伴うため、企業は喫緊の対応が求められます。
熱中症対策義務化の背景
厚生労働省の統計によると、熱中症による死亡災害の多くは、初期症状の放置や対応の遅れが原因です。
特に2020年から2023年にかけての熱中症死亡災害100件のうち、78件は「発見の遅れ(重篤化した状態で発見)」、41件は「異常時の対応の不備(医療機関に搬送しない等)」が原因と分析されています。(厚生労働省 資料より)地球温暖化の影響による熱中症リスクの増加、現行法令の不備と改正の必要性、職場における熱中症による死傷者数の増加が主な背景として挙げられます。
義務化される対策の具体的な内容
対策が義務化される作業は、WBGT(暑さ指数)が28以上、または気温31度以上の環境で連続1時間以上、または1日4時間以上行われる作業です。企業には以下の対策が求められます:
- ・WBGT低減のための作業環境・管理の見直しを実施する
- ・熱中症の自覚・他覚症状を早期発見し、報告先を明確にする
- ・熱中症の症状悪化を防ぐため、具体的な処置手順を定める
- ・策定した熱中症対策を、関係者全員に徹底して周知・教育する
これらの対策を怠った場合、企業には6カ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
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荷主企業における熱中症対策の重要シーン
荷主企業の皆様におかれましては、自社施設だけでなく、委託先の物流センターにおける作業も含む、広範な熱中症対策が求められます。
【自社物流センター・工場内作業】
- ・ 荷役作業:積み下ろしや運搬など、身体負荷の高い作業時
- ・ 倉庫内作業:熱がこもりやすい環境や、温度差の大きい場所での作業時
- ・ 工場内作業:製造ラインへの供給や構内作業など、機械熱や移動を伴う作業時
【委託先物流センターでの作業時】
・委託先での作業全般:委託先の現場で働く方々の安全確保のため、連携して対策を進めることが重要です。これらの環境整備に加え、物流現場は移動が多いため、作業員一人ひとりの個人装備(空調服、冷却グッズなど)への投資は、より効率的で即効性のある熱中症対策として非常に有効です。
さいごに
熱中症対策は企業の常識であり、「万が一」では手遅れです。これは、従業員の確保と定着に直結する重要な要素です。安全で快適な作業環境は、従業員満足度を高め、離職率低下、採用競争力向上に繋がります。義務化に備え、そして“選ばれる企業となるため”、最適な熱中症対策の導入をご検討ください。