不確実性の時代に必須の”物流BCP”のあり方

Pen Iconこの記事の執筆者

坂東 竜馬

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部 
チームリーダー 主任コンサルタント

製造業、卸売業および小売業を中心とした荷主企業を対象に、拠点の立上げ・設計支援をはじめ、輸配送コストの評価、2024年問題にむけたドライバーの労務環境実態調査および対策立案の経験を有している。主に関西圏を活動のベースとして西日本側のエリアを担当。地域特性/事情に配慮したコンサルティングを行っている。​​

≫ 荷主企業(製造・卸・小売業)向けコンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

今年の5月に新型コロナ感染症が5類感染症へと移行し、外出制限の撤廃やインバウンド需要の回復などコロナ以前の生活や活気が取り戻されつつあります。物流領域においても多くの業界で5類感染症移行後はじめての年末の繁忙期を迎えている事と思います。

一方で未だコロナ禍の影響を残す業界も多く、企業が不確実性に向き合う大きなきっかけとなったことは間違いありません。

今回はこうした不確実性の時代に対応する為に必要な物流BCPの重要性についてお伝えしていきたいと思います。

年々身近になる不測の事態

近年多くの方々が実感している様に、気候変動による猛暑日や突発的な風水害が増加しています。

以前の様に「台風」や「地震」「津波」といった特定ケースへの対処だけではなく、より突発的でより身近なケースでの災害発生への備えが必要となってきています。

またこれらに加えて、前述の新型コロナ感染症をはじめとしたパンデミック、近年増加傾向にあるサイバー攻撃等、種々様々なケースでこれまで稀有とされていた出来事が、常態的に起こりうるものへと変化してきています。

不確実性の時代に必須の”物流BCP”のあり方_コンサルタントの視点_船井総研ロジ

出所:中小企業庁「中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革」より

自社が捉えるべきBCPの範囲

「BCP策定」というアクションは、近年大手企業を中心に増加しています。

内閣府の調べでは令和元年度で大手企業の68.4%が策定を完了、現在策定中の15%を加えると8割超に上ります。

一方で荷主企業、物流事業者といった切口で見てみるとどうでしょうか。国土交通省が出している「荷主と物流事業者が連携したBCP策定のためのガイドライン」によると、荷主企業におけるBCP策定率は57.3%、物流事業者のBCP策定率については21.5%に留まります。

大半の企業が自社のBCPを策定するものの、SC全体に視野を広げると物流機能面でのBCP(物流BCP)が脆弱である、あるいは荷主企業と委託先物流事業者双方で策定したBCPの内容に整合が取れていないケースが想定される等、依然として有事に瀕した際に自社の製品供給途絶リスクを抱えていると考えられます。

物流BCP強化のプロセスとポイント

物流BCPを強化する際に必要な基本ステップとそのポイントを以下にまとめます。

不確実性の時代に必須の”物流BCP”のあり方02_コンサルタントの視点_船井総研ロジ

中でも特に重要なのが、Step.4の委託先物流事業者との連携=垂直の連携です。

有事に瀕した混乱下においては、社内での連絡・連携が満足に取れない中で策定したBCPを実行することになります。これが社外との連携となるとより多くの制約による不自由な環境が想定されます。

この様に企業間を跨ぐ連携については平時にしかできない取組みと言えるでしょう。

おわりに

不測の事態がどんどん身近になっている今、有事に瀕した際に多くの制約条件によって自社単体で出来る事はかなり限定されます。

その為、平時の段階で委託先物流事業者との垂直的な連携は勿論、同業他社や他業他社とのネットワークを広げておく水平的な連携も大変重要になってきます。

当社では荷主企業の物流担当者が集う「ロジスティクス・リーダーシップ・サロン」を2024年1月より新たに開始します。

会を通じて様々な企業の知見を結集し、VUCA時代を乗り越える物流を一緒に考えませんか?

現在、2023年12月末までに入会お申し込みの方に限り「年会費10%オフ」の特別価格でご登録いただけるキャンペーンも実施中です。

くわしくは下記ウェブサイトをご確認いただき、参加申し込みください。

荷主企業物流担当者の交流会 ロジスティクス・リーダーシップ・サロン

ロジスティクス・リーダーシップ・サロン(LLS)

ロジスティクス・リーダーシップ・サロン(LLS)会員向けの豊富なコンテンツをご活用いただけます。

  • 会員向け特典
  • ・物流責任者・担当者が全国から集まる、2か月に1回の交流会
  • ・最新動向や成功事例を徹底解説
  • ・船井総研ロジが保有する、データベースにアクセス可能
  • ・セミナーライブラリーが利用可能
  • ・毎月1回、コンサルタントへの相談可能

LLSの特設サイトををみる≫

最新/物流業界時流予測2024【無料ダウンロード】

知らないとマズイ 物流監視御三家の動きと荷主がとるべき対策とは?

物流業界時流予測2024【無料ダウンロード】
  • 資料の内容
  • ・厚生労働省・国土交通省・公正取引委員会の動き
  • ・2024年問題 陸運業界への影響
  • ・荷主が2024年、最も注意すべきこと
  • ・荷主がとるべき具体策

本資料では、「物流監視御三家(厚生労働省・国土交通省・公正取引委員会)」の動き、2024年に荷主が最も注意すべきこと、それらに対する具体策を解説しています。

物流改革大全 改善を進めるための実践ノウハウ

物流改革大全 改善を進めるための実践ノウハウ|船井総研ロジ株式会社

本コラムは、当社コンサルタントが執筆した「物流改革大全」を再構成したコラムとなっています。

運送コスト増大、コロナ禍、DXなどますます需要が高まる物流の効率化・改善のためにまず何をしたらよいのか。
物流改善の具体的方策を集約した物流管理者必携の一冊です。

※書籍紹介ページへジャンプします

Pen Iconこの記事の執筆者

坂東 竜馬

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部 
チームリーダー 主任コンサルタント

製造業、卸売業および小売業を中心とした荷主企業を対象に、拠点の立上げ・設計支援をはじめ、輸配送コストの評価、2024年問題にむけたドライバーの労務環境実態調査および対策立案の経験を有している。主に関西圏を活動のベースとして西日本側のエリアを担当。地域特性/事情に配慮したコンサルティングを行っている。​​

≫ 荷主企業(製造・卸・小売業)向けコンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

その他の記事を読むArrow Icon

人気の記事

ページの先頭へ