不確実性の時代に必須の”物流BCP”のあり方
今年の5月に新型コロナ感染症が5類感染症へと移行し、外出制限の撤廃やインバウンド需要の回復などコロナ以前の生活や活気が取り戻されつつあります。物流領域においても多くの業界で5類感染症移行後はじめての年末の繁忙期を迎えている事と思います。
一方で未だコロナ禍の影響を残す業界も多く、企業が不確実性に向き合う大きなきっかけとなったことは間違いありません。
今回はこうした不確実性の時代に対応する為に必要な物流BCPの重要性についてお伝えしていきたいと思います。
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目次
年々身近になる不測の事態
近年多くの方々が実感している様に、気候変動による猛暑日や突発的な風水害が増加しています。
以前の様に「台風」や「地震」「津波」といった特定ケースへの対処だけではなく、より突発的でより身近なケースでの災害発生への備えが必要となってきています。
またこれらに加えて、前述の新型コロナ感染症をはじめとしたパンデミック、近年増加傾向にあるサイバー攻撃等、種々様々なケースでこれまで稀有とされていた出来事が、常態的に起こりうるものへと変化してきています。
自社が捉えるべきBCPの範囲
「BCP策定」というアクションは、近年大手企業を中心に増加しています。
内閣府の調べでは令和元年度で大手企業の68.4%が策定を完了、現在策定中の15%を加えると8割超に上ります。
一方で荷主企業、物流事業者といった切口で見てみるとどうでしょうか。国土交通省が出している「荷主と物流事業者が連携したBCP策定のためのガイドライン」によると、荷主企業におけるBCP策定率は57.3%、物流事業者のBCP策定率については21.5%に留まります。
大半の企業が自社のBCPを策定するものの、SC全体に視野を広げると物流機能面でのBCP(物流BCP)が脆弱である、あるいは荷主企業と委託先物流事業者双方で策定したBCPの内容に整合が取れていないケースが想定される等、依然として有事に瀕した際に自社の製品供給途絶リスクを抱えていると考えられます。
物流BCP強化のプロセスとポイント
物流BCPを強化する際に必要な基本ステップとそのポイントを以下にまとめます。
中でも特に重要なのが、Step.4の委託先物流事業者との連携=垂直の連携です。
有事に瀕した混乱下においては、社内での連絡・連携が満足に取れない中で策定したBCPを実行することになります。これが社外との連携となるとより多くの制約による不自由な環境が想定されます。
この様に企業間を跨ぐ連携については平時にしかできない取組みと言えるでしょう。
おわりに
不測の事態がどんどん身近になっている今、有事に瀕した際に多くの制約条件によって自社単体で出来る事はかなり限定されます。
その為、平時の段階で委託先物流事業者との垂直的な連携は勿論、同業他社や他業他社とのネットワークを広げておく水平的な連携も大変重要になってきます。
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