物流拠点仮説立案のために活用する納品先情報
物流拠点は納品先へ荷物を届けるための起点であるため、物流拠点の立地や規模が納品するにあたり求められるものでなければコストの増加や物流品質の低下を招きます。そのため、現在の納品先情報を適切に把握し、拠点仮説を考える必要があります。
本コラムでは特に拠点場所の決定に関わる、納品リードタイム及び納品先ごとの物量・配送頻度に焦点を当て、整理していきます。
納品リードタイムは拠点エリアと拠点数に影響を与える
納品リードタイムは納品先と物流拠点間の輸送距離の許容目安となり、必要な拠点数の決定に関わる要素です。仮に、納品先へのリードタイムが受注日の翌日の場合、当日中に物流会社へ荷渡しができれば翌日中に納品できるエリアが拠点立地の候補エリアとなります。
納品リードタイムが長くなるにつれて、1拠点で網羅できる納品先が増えるため、最低限必要な拠点数は少なくなります。一方で、納品先と受注当日の納品を約束している場合は半日程度で納品可能な比較的狭いエリアが拠点立地の候補となり、最低限必要な拠点数も増加します。
納品リードタイムを満たした上で、納品先ごとの物量・配送頻度も加味する事でより有効な拠点場所の選択ができます。納品先別に年間(月間)の出荷物量と輸配送頻度を把握し、出荷物量と輸配送頻度が高い納品先に物流拠点を近づけることで、輸送距離が抑えられコスト削減が可能となります。
※出荷実績データは出荷単位(ケース、ボール、kgなど)を統一する必要があります。
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さいごに
以上をもとに、納品リードタイム及び納品先ごとの物量・配送頻度を適切に整理・把握することによって、効率的な物流拠点エリアの仮説を立てる事が可能となります。しかし、これらはあくまでも仮説を立てるための第1段階に過ぎません。
各企業はそれぞれの経営戦略、業界特有の慣習(必要な流通加工など)や配送便の特徴(荷姿やドライバーが行う付帯サービスなど)などを踏まえて、細かく手を加える必要があります。場合によっては現在の各拠点に対してヒアリングを行うことも必要です。
つまり、拠点エリアの仮説の大枠はこれらの情報から当たりをつける事ができますが、その後に細かな要件を踏まえた微調整が必要であるという事も忘れてはなりません。
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