物流2026年問題とは?2025年度に準備しておくべきことについて解説
「物流2026年問題」とは2026年4月に施行される改正物流総合効率化法により年間9万トン以上の取扱貨物重量がある約3,200社の荷主企業(以下、特定荷主)に新たな義務が課されることを指します。
本稿では物流2026年問題の解説と特定荷主に焦点を当て、2025年に準備すべきことについて解説いたします。
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目次
物流2026年問題とは?
前述の通り、物流2026年問題とは、改正物流総合効率化法の影響により、特定荷主に課される規制強化の問題を指します。
特定荷主とは、一定規模以上の貨物を取り扱う荷主企業であり、物流効率化の責任を求められています。特定荷主の基準を満たす荷主は約3,200社であり、国内の貨物量(重量ベース)の50%程度を占める物量と言われています。
改正内容より特定荷主の義務付け事項及び非特定荷主の努力義務事項を下図に〇:義務、△:努力義務、×:対象外で整理しました(図表①)。義務内容の詳細について本稿では触れませんが、主な項目は下図の通りです。

2025年に準備しておくべきこととは?
第一にやるべき事は物流効率化に係る自社の「荷待ち・荷役時間」「積載率の状況」において現状を正しく把握するところからです。
船井総研ロジが行った荷主企業の荷待ち時間管理実態調査(2025年3月時点)では約6割の企業が自社の荷待ち時間を把握していないことがわかりました(図表②)。

荷主企業の中には物流業務を外部委託している場合も多く、中々状況を把握することが難しいかもしれませんが、委託先へのヒアリングを行うなど定期的にコミュニケーションを図り、実態把握のための情報を収集する必要があります。
前述した通り、2026年4月以降、荷待ち・荷役時間の削減に関する中長期計画の策定及び定期報告が義務付けられています。荷待ち・荷役時間の削減目標の設定、取り組み内容及び優先順位を明確にしておく必要があります。
また、特定荷主は、CLOを選任しなければなりません。今後、日本国内でのCLOの役割はより重要になると考えられます。物流の実務経験だけでなく、物流DXへの視点、財務や事業戦略といった経営視点など自社の物流戦略を経営レベルで最適化するスキルが必要です。
さいごに
本稿では 2026 年問題について解説しましたが、特定荷主だけでなく非特定荷主においても自社の物流の現状・課題把握を行う必要・必然・ベストなタイミングとして捉えてはいかがでしょうか。
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