物流拠点立ち上げ成功のカギを握る「マスタープラン」とは?
2017年に始まった運賃見直しの動きは、今年初めまで物流業界全体で展開されてきました。
その結果、戦略の見直しやコスト対策として、新拠点の立ち上げ及び移転を避ける荷主企業が例年に比べ多く見受けられました。
荷主企業から弊社へのご相談も「新拠点の立ち上げや拠点移転を検討しているが支援は可能か?」という内容が増加しています。
そこで今回は物流拠点立ち上げの全体スケジュール=マスタープランについて、深堀していきます。
マスタープランとは何か?
物流拠点立ち上げの取り組みにおける『マスタープラン』は、新拠点立ち上げまでの全体像を示し、プロジェクトメンバーに共有するために作成します。
マスタープランの抜け漏れは新拠点立ち上げの全体進捗に影響を及ぼします。
そのため、マスタープランの作成は新拠点立ち上げにおける最も大事なポイントです。
なお、物流拠点立ち上げのマスタープランには、2つの役割があります。
物流拠点立ち上げまでのスケジュール及びタスクの明確化
マスタープランには、新拠点立ち上げプロジェクトのキックオフ当日から新拠点立ち上げまでの間に、誰が・何を・いつまでに行なわなければならないかを記載します。
荷主と物流会社の打ち合わせで新拠点立ち上げまでに行なうタスクを全て洗い出し、タスクの担当者・期日を明確にします。
左列から順に、項目・部署・担当者・開始日・期日をガントチャートに表しています。
当社では、上記のようなマスタープランを新拠点立ち上げプロジェクトのキックオフの時点で用意しておくことが望ましいとしています。
タスクが進捗していく上で、新たに必要になったタスク・不必要になったタスクが発生した場合は、追記・削除を行い、常に最新版にすることが重要です。
タスクの進捗管理
マスタープランが荷主企業と物流会社間で合意され、新拠点の立ち上げプロジェクト開始直後から、全タスクの進捗を逐次入力、全体の進捗管理を行います。
進捗は「実行中」・「完了」・「遅れ」・「未着手」のステータスで管理します。
プロジェクトの定例会の度に、全メンバーで共有し、定期的に進捗を確認します。
「遅れ」や「未着手」のタスクを早い段階で把握することで、挽回することが可能になります。
物流拠点立ち上げにおいて、タスクの遅れは「必ず発生する」と言っても過言ではありません。
タスクの進捗管理を行うことで、遅れを速やかに把握し、遅れを挽回することが物流拠点立ち上げ成功のキーポイントです。