ドライバーだけでなく家族まで目線を広げた離職防止術
近年ではドライバー不足も相まって、人材確保と定着は喫緊の課題となっています。そんな中、株式会社大安様では、ドライバー本人だけでなく、その家族にまで視点を広げたユニークな離職防止策に取り組むことで、大きな成果を上げています。
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離職防止のために家族に焦点をあてた取り組み
株式会社大安様でも、一時期ドライバーの離職が相次ぎ、頭を悩ませていた時期がありました。
詳細なヒアリングやアンケート調査を通じて離職の原因を深掘りしていくと、意外な事実が浮かび上がってきました。それは、ドライバー本人だけでなく、「家族関係」が離職の大きな引き金になっているケースが多いということでした。
具体的には、ドライバーという仕事の特殊性や危険性に対する家族の根強い心配の声。さらには、不規則な勤務時間や給与体系など、会社や仕事内容に対する家族の理解不足からくる不満や不安が、ドライバー本人の就労意欲を削いでしまうことも少なくありませんでした。
この結果を受け、離職防止の鍵は「家族の理解と応援」にあると考えたのです。
家庭訪問によるコミュニケーションをスタート
福岡営業所では、所長自らがドライバーの家庭を訪問するという取り組みを開始しました。家庭訪問の最大の目的は、家族が日頃感じている会社への本音や心配事、そして会社に対して本当に求めていることなど、「生の声」を直接ヒアリングすることにあります。
実際に家庭を訪問してみると、やはり給与の構成や手当の詳細、年間の休日数や有給休暇の取得状況など、生活に直結する具体的な質問が多く寄せられました。多くのドライバーは、自身の仕事内容や給与明細について、家族に対して丁寧に説明することが苦手な傾向があることも判明しました。
口頭での説明が不十分だったり、誤解を招くような伝え方をしてしまったりすることで、かえって家族の不満や不安を増大させてしまうケースが散見されたのです。会社側が直接、丁寧に説明することで、これまで家族が抱いていた疑問や誤解が解消され、安心感につながっています。
家庭訪問実施の結果、離職率改善
家庭訪問を積極的に実施した福岡営業所では、なんと離職率を13.2ポイント減少することに成功しました。
この取り組みを通じて「ドライバー本人だけでなく、その向こう側にいる家族にも目を向け、会社や仕事に対する理解と信頼を深めてもらうことの重要性」がよくわかります。「大安って、家族のことまで考えてくれる良い会社だね」と家族に言ってもらえること。それが、結果として大幅な離職率の改善という形で表れたのです。
株式会社大安様では、この福岡営業所での成功事例をモデルケースとし、今後は他の営業所においても家庭訪問を積極的に推進できるよう、具体的な運用方法や人員体制の整備を進めていく方針です。
さいごに
船井総研ロジが主催している、物流会社経営者向け勉強会「ロジスティクスプロバイダー経営研究会」では、2025年6月例会に株式会社大安の平川社長に登壇いただき、「離職率20%減少 大安流エンゲージメント経営」についてご講演いただきます。
入会の前にお試し参加も可能ですので、ぜひ、物流会社経営のヒントを得るためご参加いただければと思います。
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ロジスティクスプロバイダー経営研究会は、業績を上げたい・会社をもっと良くしたいと志した経営者様が全国から集まり、自らの体験や事例を語り共有して高めあう「師と友づくり」の場です。
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