物流業界におけるヒト・モノ・カネの三位一体経営
ドライブ不足や原価高騰など、物流業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。このような状況下で、重要となるのが、経営資源を最大限活用するための、「ヒト・モノ・カネの三位一体経営」という考え方です。
本稿では、その考え方を具現化して会社の取り組みに落とし込まれている、株式会社まるだい運輸倉庫様(神奈川県小田原市)の取り組みをご紹介します。
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目次
1.「ヒト」:多様な人材活用とエンゲージメント向上
深刻な人手不足に直面する物流業界において、まるだい運輸倉庫様は性別や国籍を問わない多様な人材活用を積極的に推進しています。
外国人スタッフや女性リーダーの登用、コミュニケーション向上のための施策、時短勤務や産休・育休復帰支援といった働き方改革を通じて、社員一人ひとりのエンゲージメントを高め、定着率の向上を実現しています。
同社の代表取締役社長、秋元氏は、「社長が成長する姿勢を見せること」が組織が成長する上で最も重要であると考えています。このような経営トップの姿勢が、社員の主体的な行動と意欲を引き出し、企業全体の成長を力強く牽引しているといえるでしょう。
2.「モノ」:効率的な車両管理と積極的な情報発信
「モノ」の側面においては、車両管理の効率化に加え、環境問題への積極的に取り組んでいます。
EVトラックの導入やエコドライブの指導などを推進し、SDGsへの貢献を積極的にアピールすることで、企業イメージの向上を図り、新たな顧客の獲得に繋げています。
さらに、同社はホームページやSNSを積極的に活用し、自社の魅力を多角的に発信しています。秋元社長自らが広告塔となり、積極的な情報発信を行うことで、企業認知度の向上、ひいては採用応募数の増加にも貢献しています。
3.「カネ」:コスト削減と将来への投資の両立
「カネ」の側面では、徹底的なコスト削減と将来を見据えた戦略的な投資を両立させています。
車両管理費、倉庫レイアウト、エネルギー効率など、細部にわたるコスト削減を実行し、社員からの改善提案制度を導入することで、モチベーションを維持しながら効率化を推進しています。
その一方で、ホームページのリニューアルやITシステムへの投資など、将来の成長に向けた積極的な投資にも取り組んでいます。また、既存顧客に対して丁寧な説明とサービス改善提案をセットにした値上げ交渉を実施することで、収益性の向上にも成功しています。
まるだい運輸倉庫の事例から学ぶ「三位一体経営」の本質
まるだい運輸倉庫様は、「ヒト」「モノ」「カネ」という経営資源を個別に最適化するのではなく、相互に連携させ、相乗効果を生み出す「三位一体経営」の重要性を示唆しています。
同社の事例は、物流業界を取り巻く厳しい環境下においても、経営者の強いリーダーシップと、変化を恐れずに挑戦する姿勢があれば、企業は成長し続けられるということを改めて認識させられます。
船井総研ロジが主催している、物流会社経営者向け勉強会「ロジスティクスプロバイダー経営研究会」では、2025年4月例会にて株式会社まるだい運輸倉庫の秋元社長に講演いただく予定です。
入会の前にお試し参加も可能ですので、ぜひ、物流会社経営のヒントを得るためご参加いただければと思います。
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- 概要
- 業績アップに特化した物流企業が集まる経営研究会!船井総研ロジが主催する研究会は、日本の物流業界をけん引する企業が一堂に会し、業績アップのノウハウを学びます。
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