【申請期限まであと1カ月】働き方改革推進支援助成金

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梶原 拓馬

物流ビジネスコンサルティング部 主任コンサルタント

中小の運送・物流企業に向けた、業績アップコンサルティングを展開。ドライバーの採用・育成・定着やマーケティング戦略の立案・販促・営業力強化の支援をテーマにコンサルティングを行なっている。

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2024年4月からの時間外労働の上限規制に対し、各社労働時間の削減に取り組まれていることかと思います。

そのような中、厚生労働省では「働き方改革推進支援助成金」を支給しており、労働時間の削減を支援しています。

コラムでは、申請締切まで残り1カ月となった「働き方改革推進支援助成金」の導入について、くわしく解説します。

助成金を活用しての、具体的な目標を立てる

この助成金は、①労働時間の削減、②インターバル制度の導入、③賃金引上げ、のうち1つ以上を選択し、目標達成に取り組んでいきます。

達成度に応じて支給額は異なりますが、一つの取組でも最大480万円の支給もあります。

■申請・実施期間

  • 申請の受付:2023年11月30日まで必着
  • 事業実施期間中:交付決定の日から2024年1月31日までに取組を実施

■支給対象となる事業主

  • 1.労働者災害補償保険の適用事業主であること。
  • 2.全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
  • 3.常時使用する労働者数が300人以下もしくは資本金または出資額が3億円以下中小企業事業主。

■支給対象となる取組(いずれか1つ以上)

  • 1.労務管理担当者に対する研修
  • 2.労働者に対する研修、周知・啓発
  • 3.外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  • 4.就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 5.人材確保に向けた取組
  • 6.労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 7.労務管理用機器の導入・更新
  • 8.デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  • 9.労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。

例えば、「5.人材確保に向けた取組」として、多くの会社で媒体を利用し人材を集めていると思いますので、取組内容も非常に難易度が低く、申請しやすい助成金となっております。

注意点は、「7.労務管理用機器の導入・更新」では、原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象とならない点があげられます。

成果目標の設定と支給額の違い

支給対象となる取り組みは、以下の「成果目標」のうち1つ以上選択し、その達成を目指して実施します。

【成果目標1】

全ての対象事業場において、令和5年度又は令和6年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届出を行う。

【支給額1】

  • 現に有効な36協定において、時間外労働時間数等を月80時間を超えて設定している事業場が、
  • ・時間外労働時間数等を月60時間以下に設定→250万円支給
  • ・時間外労働時間数等を月60時間を超え、月80時間以下に設定→150万円支給
  • 現に有効な36協定において、時間外労働時間数等を月60時間を超えて設定している事業場が、
  • ・時間外労働時間数等を月60時間以下に設定→200万円支給

【成果目標2】

全ての対象事業場において、9時間以上の勤務間インターバル制度の規定を新たに導入。

本助成金でいう「勤務間インターバル」とは、終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を設けることで、従業員の生活時間や睡眠時間を確保しようとするものです。

【支給額2】

  • 1.制度が「新規導入」に該当する取組がある場合
  • ・9時間以上、11時間未満:100万円支給
  • ・11間以上:150万円支給
  • 2.制度が「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」又は「時間延長」に該当する取組がある場合
  • 9時間以上、1時間未満:50万円支給
  • 11時間以上:75万円支給

【成果目標3】

対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを行うこと。 賃金額の引上げを成果目標に加えた場合の加算額は、指定した労働者の賃金引上げ数の合計に応じて、下記の通りです。

【支給額3】

  • 1.常時使用する労働者数が30人を超える中小企業事業主が3%以上引き上げした場合
  • ・1~3人:15万円支給
  • ・4~6人:30万円支給
  • ・7~10人:50万円支給
  • ・11人~30人:1人当たり5万円(上限150万円)支給
  • 2.常時使用する労働者数が30人を超える中小企業事業主が5%以上引き上げした場合
  • ・1~3人:24万円支給
  • ・4~6人:48万円支給
  • ・7~10人:80万円支給
  • ・11人~30人:1人当たり8万円(上限240万円)支給
  • 3.常時使用する労働者数が30人以下の中小企業事業主が3%以上引き上げした場合
  • ・1~3人:30万円支給
  • ・4~6人:60万円支給
  • ・7~10人:100万円支給
  • ・11人~30人:1人当たり10万円(上限300万円)支給
  • 4.常時使用する労働者数が30人以下の中小企業事業主が5%以上引き上げした場合
  • ・1~3人:48万円支給
  • ・4~6人:96万円支給
  • ・7~10人:160万円支給
  • ・11人~30人:1人当たり16万円(上限480万円)支給

【成果目標1】は、業種により労働時間削減が難しい場合、【成果目標2】の導入が難易度が低くお勧めです。

また賃金見直しをしている事業主も多いと思いますので、そういった事業主は【成果目標3】を狙うのも良いです。

今後労働時間の削減は必須になるので、助成金を活用しながら進めていくのはいかがでしょうか。

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