経験年数に頼らない!全ドライバーへの徹底した安全教育の必要性

山口 哲也

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山口 哲也

船井総研ロジ株式会社
物流ビジネスコンサルティング部
コンサルタント

運送・物流会社の「安全指導」や「管理職教育」をメインテーマとしてコンサルティングを行っている。現場で抱える、安全指導に関する課題に対して、最適な指導方法の提案や指導の仕組化を得意としている。トラック協会での講演経験も多数あり、現場主義の考え方のもと、安全指導・事故削減に対する課題解決のノウハウを数多く持っている。

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2023年の交通事故にまつわる統計データが公開されました。2023年は約10年ぶりに交通事故の発生件数、死者数も増加となりました。またトラックの交通事故に関しても6年ぶりに増加しており、警視庁の【交通事故統計】によると約9.2%の増加で急激に増加傾向にあります。

運送会社において事故は一番避けたいことだと思います。皆さんの会社で統計と同様に事故を増加させないために今回は免許の取得年数に注目していきます。

ベテランという先入観が事故を引き起こす

「ベテランドライバー」という単語を運送会社では頻繁に耳にします。「○○さんはベテランだから安心」や「△△さんはドライバー歴が長いからあまり指導していない」など、ベテランという先入観に惑わされていませんか?

実は、統計データでもう一つ興味深い事実があります。それは免許の取得年数が10年以上のドライバーの方が死亡事故の発生率が高いということです。トラックにおける死亡事故の約88%が免許取得後10年以上のドライバーです。もちろん、ドライバーにこの層が多いことも考えられますが「ベテランドライバー=熟練度が高く、慣れている」とも考える事が可能です。

まずは経営者・管理者がドライバーに対して、ベテランや新人といった年数での色眼鏡をなくすことが大切です。ある会社では、経営者や管理者に非常に評判のよいドライバーが実は非常に運転が荒かったことや携帯電話を運転中に常習的に使用していたというケースがありました。こちらも重大事故があり、その原因を調べた際に、初めて悪い運転習慣を管理側が知りました。

添乗指導の回数や実施する対象者を新人だけではなく、全ドライバーにすることや内向きカメラなどの機器を効率的に活用し、日々の運転行動を把握することなどが 今後の運送会社には必要となってきます。

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事故を予防するためにチェックすべきポイント3つ

ベテランドライバーに対しては下記のようなポイントをチェックするのも有効的です。

①運転時の姿勢

姿勢が楽だからといってペダルとシートの距離を開けすぎているなど、自己流の運転姿勢になっていないか確認しましょう。

②運転時の履物

脱げやすいサンダルなどで運転しているなど、いざという時のブレーキ操作に支障がでないかという観点でチェックしましょう。

③~~しながらのながら運転

携帯を使用している、伝票のチェックや記載を行っている、食事をしているなど、ベテランになると慣れから運転と並行しながら、様々な事をしている可能性があります。

おわりに

添乗チェックも大切ですが、毎日の点呼などで3つの点を声をかけるだけでも、意識が変化するキッカケになります。特効薬を狙わず、コンスタントに声掛けを実施し、事故がおきやすい環境にならないように心がけましょう。

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コンサルタント

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