物流企業の離職率を激減させる!リアリティ・ショックをなくし定着率を向上させる「RJP理論」

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大倉 進之介

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネス支援部
物流HRグループ ダイバーシティチーム アソシエイト

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採用活動でのミスマッチや早期離職は、多くの企業が抱える共通の課題です。こうした課題を解決する一つの方法として、「RJP(Realistic Job Preview)理論」があります。これは、応募者に対し、仕事や組織の良い面だけでなく、悪い面も含めた現実的な情報を正直に開示することで、入社後のギャップを減らし、定着率を高めるという考え方です。

RJP理論の4つの効果

企業が良い面だけでなく悪い面も含め正しい情報を開示するでえられる効果には、主に以下の4つがあります。

①セルフスクリーニング効果
求職者が仕事や企業への適性を自分で判断できるようになり、ミスマッチが減ります。

②ワクチン効果
事前に現実を伝えることで、入社後の「リアリティ・ショック」を軽減し、離職率を低下させます。

③コミットメント効果
企業が正直な姿勢を見せることで信頼が生まれ、入社後の会社への愛着や帰属意識が高まります。

④役割明確化効果
採用時に期待する役割を明確にすることで、入社後に自身の役割を認識しやすくなり、仕事への満足度や意欲が向上します。

新卒採用におけるRJP実践時の注意点

前述の通りミスマッチや早期離職の低減に効果のあるRJPですが、実践時には注意が必要です。今回は、特に新卒採用において注意すべき点を2つお伝えします。

①タイミング
学生は知名度の高い企業に魅力を感じがちです。そのため、BtoB事業など学生に馴染みのない業界や企業が、いきなりマイナス面を伝えると、かえって応募をためらわせてしまうことがあります。ショック療法のようなRJPは、まず学生との信頼関係を築いてから行いましょう。

②伝え方
マイナス面をただ正直に伝えるだけでは、「イメージと違った」と応募を辞退される可能性があります。重要なのは、「マイナスのまま終わらせないこと」です。

例えば、「シフト勤務だが、平日休みになるので、行きたい場所が空いている」等、プラスの側面をセットで伝えたり、「会社としても改善するために○○に取り組んでいる」等、現状の取り組みや今後の展望を伝えたりすることも効果的です。

このように、伝え方を工夫することで、信頼関係を損なうことなく、現実を伝えることができます。

若手人材の心をつかむRJP

最近の若者(Z世代)は、良い情報ばかりを発信する企業に不信感を抱く傾向があります。それは「何か隠しているのでは?」と疑うからです。すべての情報を開示することは難しいですが、可能な範囲で現実を伝えることで、若手人材からの好感を得られるでしょう。

この機会に、ぜひ自社の発信している情報の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

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大倉 進之介

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