顧客定例会で荷主をグリップする

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白石 哲郎

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部 
チーフコンサルタント

物流企業に対して倉庫作業員やドライバーの採用支援に主に従事。船井総研ロジの300社以上のクライアントデータから時流を分析し、採用課題改善の提案を行っている。​​

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「基本的に物流会社は値上げの時しか訪問してこない。社会情勢的に厳しいのは分かるが自助努力もして欲しいと思う」

最近ある大手食品メーカーの方からお聞きしたことです。これは一面的な部分ではあると思いますが、荷主の本音だと思います。

物流会社としては、耐えに耐えてどうしようもなくなって「来月から〇%アップをお願いします」という交渉になっていることがあります。こういった状況にならないように、荷主と定期的に接点を持つことが重要になります。

その具体的な対策として「顧客定例会」の事例についてご紹介します。

→船井総研ロジが提供する「荷主交渉資料作成のポイント」はこちら

顧客定例会の主要な議題

顧客定例会は主要な荷主(売上上位10社など)と、月に一度先方への訪問やオンライン会議といった形で開催します。

  • 主な議題は以下の通りです。
  • ・先月の入荷件数、出荷件数、在庫状況、不動在庫
  • ・事故発生状況と今後の対応の報告、入出荷時破損集計
  • ・今月の出荷件数見込み
  • ・事故集計報告書
  • ・ミス防止のための改善提案

事故集計報告書については事故状況や原因、今後の対応についてを事故1件ずつに対してExcelにまとめて報告し、どのように事故やミスを減らしていくかをともに議論していきます。

この際、しっかりとデータをまとめて先方に状況を共有します。

現場に招き、認識を共有する

開催形態に関してはオンラインを基本としながらも、3カ月に一度ほど自社の倉庫に招く形が有効です。

実際現場を見ていただくことで、物量の正しい把握や現場の各種課題について認識を共有したうえで解決策が検討できます。

荷主との接点を増やし、選ばれ続ける物流会社になる

顧客定例会を開催する意義は大きく3つあります。

①数字を伝えることで荷主が経営判断に活用

事故起因元など定量的なデータを集めて提供することで荷主が経営判断に役立てることができます。また、数字を示すことによって物流会社が一方的にミスを謝罪するという関係性から脱却することができます。

②利益相反からwinwinな関係に

細かく接点を持ちお互いの状況を共有することで、難しい相談にも応えられる関係性を築くことができます。燃料の高騰状況やドライバー採用難なども共有しつつ、荷主も原料高騰で苦しんでいる事情などもあります。しっかりと状況を把握することで、値上げ交渉の際も的確な提案を持っていくことができます。

③ミスに対してのガス抜き

荷主としては「ものを出して運ぶ」という単純作業はできて当たり前という認識があります。ですので、「なんで配送遅延が発生したのか?」「破損の原因はなんだったのか?」というミスに対する報告と謝罪の時間が多くなります。あまり気持ちのいいものではありませんが、「小さくもめる」ことで、問題や不信感が大きくなる前に対処することができます。

今回の事例を参考に荷主との接点を増やし、選ばれ続ける物流会社になっていきましょう。

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