歩合給の中に残業代が含まれている、は危険です。

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2024年問題が迫る中で、今回は賃金規程の中で見落とし勝ちな訴訟リスクについてご紹介します。

訴訟リスクのある賃金規定とは

運送会社の賃金規程を見ていると、下記のように、歩合給を基準外賃金とし、割増賃金として歩合＋残業手当を支払っている企業がまだまだ多いように感じます。
このような場合、未払いを指摘（訴訟リスク）されるリスクあるので早急に見直すことをおすすめします。

【リスクの高い表記例】
第〇条　基準内賃金
基準内賃金として以下を支給する
・基本給、本給、職能給、ライフプラン手当
・役付手当
・業務手当など・・・

第〇条　基準外賃金
基準外賃金として以下を支給する
・運行手当
・〇〇歩合手当
・残業手当
・休日手当
・深夜手当　など・・・

賃金の種類と意味合い

法律で定義はされていませんが、基準内（外）賃金と所定内（外）賃金を区別するケース、そうでないケース、人によって様々ですが、歩合制でも、法定労働時間を超過して働けば、残業代を支払う必要があります。

基準内賃金・・・割増賃金の基礎となる賃金、基準外賃金を除く賃金
基準外賃金・・・割増賃金の基礎とならない賃金（通勤手当・家族手当・住宅手当など）
所定内賃金・・・所定内労働時間を働いた時の賃金、or基本給や家族手当などあらかじめ金額が決まっている賃金
所定外賃金・・・所定外労働時間を働いた時の賃金、or残業代など仕事が終わってみないといくらになるかわからない賃金

歩合給と残業代の関係

「歩合給は成果に対する報酬、残業代は労働時間に対する報酬。なぜ歩合に対して残業代を払う必要があるのか。」という気持ちはごもっともですが、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超過した場合、休日・深夜に働いた場合、会社は割増賃金を支払う義務があります。

通常の労働に対する賃金と残業代部分が明確に区分されていて、労働契約で固定残業代制を採用（時間数、金額など）することについて合意している場合、「歩合給の中に残業代を含む」が認められるケースはありますが、実態に即した運用が必要です。

今回のケースですと運行手当や歩合手当に対して未払いを指摘（訴訟リスク）されるリスクあるので早急に見直すことをおすすめします。

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