「完全歩合給」導入は運送業を救う!?

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三村 信明

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部 
チームリーダー チーフコンサルタント

1978年生まれ。専門商社、大手経営コンサルティング会社を経て、2011年、船井総合研究所に入社。入社後は、生産財分野(製造業、建築資材メーカー、生産財商社など)、物流会社・運送会社を中心にコンサルティングを手がける。2018年7月より、船井総研ロジ株式会社に異動( 2019年1月転籍)。運送会社・物流会社に特化して、人事制度の構築・運用支援、組織戦略立案を行っている。

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毎年見直される最低賃金の引き上げや、60時間超の時間外割増賃金率引上げ(50%)の中小企業への適用(2023年4月~)によって、運送業における残業代の未払い賃金訴訟がますます増加することは間違いありません。

そこで、今回のコラムでは、「賃金訴訟リスク回避のために完全歩合給制を導入する」ことについてお伝えしたいと思います。

「完全歩合給導入」による3つのメリット

メリット①:長時間労働になりがちな運送業の残業代を低く抑えることができる

完全歩合給導入の最大のメリットは、「長時間労働になりがちな運送業の残業代を低く抑えることができる」ことです。

歩合給の割増賃金は所定労働時間ではなく、総労働時間で計算(時間外割増賃金=歩合給 ÷総労働時間×0.25×時間外労働時間)します。残業時間にもよりますが、所定労働時間で計算する方法に比べて2割以下の支払いで済みます。

メリット②:同一労働同一賃金の観点で公平、かつモチベーションも上がる

次に、「走れば走るほど給与が上がるので、同一労働同一賃金の観点で公平、かつモチベーションも上がる」というものです。

作業歩合や社内標準運賃による歩合給であれば公平ですが、売上高(運送収入)を用いると、割のいい仕事、悪い仕事で不公平が生じます。

乗務員が仕事の選り好みをするため業務の平準化、長時間労働の是正が進まない要因になるだけでなく、モチベーション・定着率も低下するでしょう。

メリット③:ダラダラ残業が減る

最後に、「ダラダラ残業が減る」です。

給料が決まっているので寄り道せず、早く帰ってくるという考えによるものですが、前述のとおり歩合給であっても労働時間を正しく把握し割増賃金を払う必要(歩合給に割増賃金含むは違法)があります。

運転も荒くなり、安全面や車両の故障増加など課題が残ります。

モチベーション低下・事故増加の可能性も。

上記や、保障給、従業員の個別同意などを踏まえたうえで戦略的に「完全歩合給」を導入するのであれば問題はありません。残業代を払いたくないといった消極的な理由による導入は、マネジメント機能の低下に加え、組織風土悪化による離職、人手不足倒産を招く要因になるので、賃金制度の見直しは慎重に進めてください。

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1978年生まれ。専門商社、大手経営コンサルティング会社を経て、2011年、船井総合研究所に入社。入社後は、生産財分野(製造業、建築資材メーカー、生産財商社など)、物流会社・運送会社を中心にコンサルティングを手がける。2018年7月より、船井総研ロジ株式会社に異動( 2019年1月転籍)。運送会社・物流会社に特化して、人事制度の構築・運用支援、組織戦略立案を行っている。

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