優秀な評価者でも陥ってしまう「評価者エラー」とは?

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三村 信明

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部 
チームリーダー チーフコンサルタント

1978年生まれ。専門商社、大手経営コンサルティング会社を経て、2011年、船井総合研究所に入社。入社後は、生産財分野(製造業、建築資材メーカー、生産財商社など)、物流会社・運送会社を中心にコンサルティングを手がける。2018年7月より、船井総研ロジ株式会社に異動( 2019年1月転籍)。運送会社・物流会社に特化して、人事制度の構築・運用支援、組織戦略立案を行っている。

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新型コロナウイルスの影響で、多くの運送会社で物量が減って、仕事が薄くなっていますが、長期的に見ると人手不足は解消されていません。従業員は、今まで以上に、安定した生活を求めており、定着率の向上を目的に、評価制度の導入を検討している企業もあります。

評価制度が上手く機能しない本当の理由

評価制度は、例えば、社員の査定に差をつけることだけを重視している、評価制度の導入に満足して運用を怠っている、制度に対して理想が先行して、現状の運用キャパを超えた制度を導入している、などといった理由から、導入したものの上手く機能していない会社も多いようです。

優秀な評価者でも陥りやすい評価者エラーとして、以下に内容と対策をまとめますので、参考にしていただければと思います。

代表的な6つの評価者エラー

ハロー効果

何か1つ良いと、何もかもが良くなってしまう。

例1:売上がトップのドライバーは勤務態度も抜群のように見える。また、何か1つ悪いと、何もかもが悪くなってしまう。

例2:書類作成ミスが多い管理部門のメンバーは、お客様への対応レベルも劣るように見える。

対策

被評価者に対する先入観をなくす。1つ1つの評価項目で何を評価するのかを理解し、各基準に合わせて評価を実施する。日常の行動に基づいた評価を行う。

寛大化傾向

自分の部下がかわいく、他部門の社員よりも良く見てあげたいという気持ちが、そのまま評価に現れ、実際よりプラスに評価してしまう傾向。

対策

実際よりも甘い評価は、数年後、かえって被評価者を辛い立場に追い込む可能性があることを念頭に置くこと。

中心化傾向

評価結果が真ん中の評価に集中し、個人差がほとんど出なくなる傾向。評価に不慣れ、自信がない、真剣さがない等により部下の間に差をつけることをためらうことが原因。

対策

評価者自身が評価項目、評価基準の内容を良く理解する。被評価者の日常に関心を持つ。管理者として自信と責任を持って評価を実施する。

極端化傾向

少し良ければ極端に良く、少し悪ければ極端に悪く評価する。結果として中心化傾向とは別に考課結果が低い評価、高い評価に二極化する。

対策

評価者自身が評価項目、評価基準の内容を良く理解する。被評価者の日常の行動に基づいて評価を行う。

対比誤差

勤続年数や役職が高い社員に対しては「これくらいできて当たり前」と辛く評価をし、入社間もない社員に対しては、「できなくても仕方ない」と甘く評価する。部下への親近感から、「彼には期待しているから・・・」と辛く評価する。また、「私の若い頃に比べると優秀だ」と過去の自分と比べて甘く評価する傾向。

対策

社歴や役職、年齢などにより評価基準の解釈を変えずに評価基準に合わせて評価を行う。自分の期待水準や自分の過去と比較するのではなく、評価基準に合わせて評価を行う。

遠近効果

評価実施時の直前の事実は良い事実も悪い事実も大きく見え、3か月前、5か月前の事実は小さく見えることにより生じるエラー。

対策

評価実施前に評価期間を確認する。

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1978年生まれ。専門商社、大手経営コンサルティング会社を経て、2011年、船井総合研究所に入社。入社後は、生産財分野(製造業、建築資材メーカー、生産財商社など)、物流会社・運送会社を中心にコンサルティングを手がける。2018年7月より、船井総研ロジ株式会社に異動( 2019年1月転籍)。運送会社・物流会社に特化して、人事制度の構築・運用支援、組織戦略立案を行っている。

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