運送会社のCX向上|攻めのDXと守りのDX

Pen Iconこの記事の執筆者

齊藤 史織

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部
グループマネージャー エグゼクティブコンサルタント

入社以来運輸・物流業を専門に、100社以上の会社にコンサルティング・アドバイスを行っている。業績アップをテーマに、マーケティング戦略の立案や販促・営業強化支援、ドライバー採用・育成・定着、中期経営計画の策定といった内容でコンサルティングを実施。最近では、2024年問題を背景に、物流会社・運送会社の生産性向上の必要性が高まり、デジタル化・DXなどによる効率化支援の実績を重ねている。​​​​

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

日本の企業の多くは、DXの目的を「生産性の向上」としています。これに対して、欧米の企業は、DXの目的を「CXの向上」としています。本コラムでは、日本と欧米におけるDXの目的に違いがある理由と運送会社のCX向上の事例をご紹介します。

なぜ、欧米の企業は「CXの向上」なのか

CXとは、Customer experienceカスタマー・エクスペリエンス)の略で、直訳すると「顧客体験」という意味があります。

例えば、アマゾンが運営する無人コンビニ「アマゾン・ゴー」のDXの目的は、「お客様のレジ待ちの時間を無くす」「快適に買い物を楽しめる様にする」というCXの向上にあります。

このように欧米の企業が「生産性の向上」ではなく「CXの向上」を軸にする理由は大きく2つです。

デフレ対策

1つ目は「デフレ対策」です。運送を含め、代替しやすいサービスは常に価格競争にさらされています。特に少し前のコロナ禍では、大きく値下げした競合に仕事をとられたケースも多いでしょう。価格競争に巻き込まれないため、顧客価値を高めるCXの向上が求められています。

利益率アップ

2つ目は「利益率の向上」のためです。欧米では、利益を増やすには「安くつくる」よりも「高く売る」ことに注力した方が良いと考えることが多いようです。国内人口も減り全体的に市場が縮小しているため、コストダウンには限界があります。

運送業界におけるコストダウンは、車両・燃料の調達コストを抑えたり、管理部門の省人化・効率化などが挙げられます。しかし、それらを追求しても利益率に大きなインパクトが出ないケースが多いです。それよりも、絶対に値下げはせず、品質は担保する会社のほうが、利益率5%以上をキープしていることがあります。

運送会社のCX向上の事例

運送会社のCXの事例としては

  • ・動態管理システムを入れ、常に荷主に共有する
  • ・空車情報をオンラインで公開し、即受注できる体制を構築する
  • ・ネットアンケートを活用し品質フィードバックの仕組みを作る

などがあるでしょう。

生産性向上のためのDXをしても、他企業が追随してくれば、価格競争になってしまいます。しかし、自社が選ばれる唯一無二の理由を作れば、顧客を掴んで競争からは無縁になります。

守りのDX(生産性向上)だけでなく、攻めのDX(CX:顧客体験向上)を合わせて、DX事業計画を立てていくのがよいでしょう。

中小運送会社の経営課題解決をサポートしています

中小運送会社の経営者のみなさまに、日々役立つ情報をお届けしています。下記資料は無料ダウンロードできるので、ぜひご活用ください。

物流会社で失敗しないOCRツールの選び方5つのポイント

また、当社では、運送業に特化したコンサルティングを行っています。無料相談も受け付けておりますので、いつでもご相談ください。

経営相談に申込む
オンラインでの経営相談をご希望の方はこちら
コンサルティングサービス一覧

なお、コラムの更新やセミナーの最新情報はLINEでも配信中です。
この機会にぜひ『友だち登録』をお願いします。

友だち追加

↑クリックすると友だち登録用のQRコードが表示されます。

おすすめ情報

運送会社のCX向上|攻めのDXと守りのDX

サービス/ロジスティクスプロバイダー経営研究会

概要
業績アップに特化した物流企業が集まる経営研究会!船井総研ロジが主催する研究会は、日本の物流業界をけん引する企業が一堂に会し、業績アップのノウハウを学びます。
詳細
https://www.f-logi.com/butsuryu/society/
運送会社のCX向上|攻めのDXと守りのDX

サービス/物流企業向けコンサルティング

概要
当社が有する以下のノウハウを最大限に活用し、コンサルティングサービスを提供しています。物流業界に特化し、全国で300社以上の物流企業の業績アップコンサルティングを展開しています。
詳細
https://www.f-logi.com/butsuryu/consulting/

Pen Iconこの記事の執筆者

齊藤 史織

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部
グループマネージャー エグゼクティブコンサルタント

入社以来運輸・物流業を専門に、100社以上の会社にコンサルティング・アドバイスを行っている。業績アップをテーマに、マーケティング戦略の立案や販促・営業強化支援、ドライバー採用・育成・定着、中期経営計画の策定といった内容でコンサルティングを実施。最近では、2024年問題を背景に、物流会社・運送会社の生産性向上の必要性が高まり、デジタル化・DXなどによる効率化支援の実績を重ねている。​​​​

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

その他の記事を読むArrow Icon

人気の記事

ページの先頭へ