なぜ運送会社のデジタル化は進まないのか?物流業界のDXにおける課題

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柴田 純平

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

運送・物流会社を専門に「デジタル化」をメインテーマとしてコンサルティングを行っている。企業規模や課題・目的にあわせた、最適なデジタルシフトの提案や、デジタルツール導入支援を得意としている。特に、AI-OCR・RPA・BIなど、本当に現場で使えるデジタルツールの策定ノウハウを数多く持っている。

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はじめてのDX・デジタル化|物流会社のためのデジタルトランスフォーメーション

デジタル化が進まない運送会社の実態

近年、物流業界でも、生産性向上・業務効率化を目的にデジタル化・DXに注目が集まっています。

しかし、実際のところ、うまく取り組めている運送会社は少ないのが現状です。当社が運送会社向けに実施したデジタル化・DXへの取り組みに関する調査結果によると、

  • ・順調に進んでいる、10%
  • ・これから始める予定である、19%
  • ・まだあまり進んでいない、39%
  • ・進めたいが取り組めていない、22%

全体として「必要性は感じているものの、うまくいっていない」という現状がうかがえます。

運送会社のデジタル化への取り組み状況|なぜ運送会社のデジタル化は進まないのか|船井総研ロジ

デジタル化が進まない理由とは?~内部環境と外部環境~

内部環境における理由

また、上記調査において、デジタル化が進んでいないと回答した企業に、その理由を質問しました。いずれにおいても、組織体制を理由にデジタル化を進めることができていない状況が伺えます。

デジタル化が進まない理由|なぜ運送会社のデジタル化は進まないのか|船井総研ロジ

外部環境における理由

しかし、運送会社がデジタル化に苦戦しているのには、内部環境だけでなく外部環境にも理由があると考えられます。

代表的な理由としては、下記2点が挙げられます。


荷主企業からの受け身になってしまう

デジタル化による大きな変革を起こそうにも、荷主企業の協力を仰げず、
うまく進めることができない場合が多々ある

IT人材の不足

物流6大要素の中でも、情報処理を除いた実業務面を重要視される場合が多く、
ITに長けた人材を確保できない・活躍の場を提供できない


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デジタル化に取り組まないと「選ばれない」会社に

運送会社の内部・外部環境を知ることで、デジタル化・DXが進まない理由を把握できたかと思います。

しかし、このままデジタル化に取り組まないままでいると、荷主企業・求職者・社員から「選ばれなくなる」可能性が大きくなると考えられます。

デジタル化に取り組まない企業は、荷主企業から「低生産性」、つまり、高コスト体質の会社と捉えられます。いつまでも紙や電話でのやり取りに依存している場合、つながりづらい会社と位置付けられるでしょう。

また、求職者・社員は、「長時間労働・残業」が多い会社と捉えます。属人性が高い業務が残るため、人材育成にも時間がかかることが予想されるでしょう。

まずは、デジタル化の第一歩を踏み出すことが、運送会社にとって非常に重要です。

少額かつ自社完結できるデジタル化から着手する

従来の「デジタル化」は、ITの専門的なスキルを持つ人材が必要でした。

しかし、近年では、ITの知識が不要で、現場レベルで生産性向上を図ることが可能なツールが増えています。ここでは、はじめてデジタル化に取り組む運送会社でも簡単に使いこなせるツールを4つ紹介します。

1.Googleアプリ

Googleが約70種類のアプリを提供しており、無料でも活用することができます。データをクラウド上に保存することができるため、社員との情報共有をリアルタイムで行うことができます。

例として、今まで使っていたものを下記のアプリに置き換えることができます。

  • ・Excel ➤ Googleスプレッドシート
  • ・手帳 ➤ Googleカレンダー
  • ・提出書類 ➤ Googleフォーム
  • ・ファイル保存先(各PC or 自社サーバー) ➤ Googleドライブ

よりくわしい情報は下記資料で解説しているので、ぜひダウンロードしてください。
物流会社のためのデジタルトランスフォーメーション

2.OCR

OCRとは、紙に書かれている内容をデータに変換してくれるツールです。

近年では、読み取り精度がかなり上がっており、AIを搭載したものも登場しています。手書き文字であっても高い精度で読み取ることができます。

FAXで届く受発注の書類や、ドライバーの手書き日報に活用する企業が増えています。

3.RPA

パソコンを使った定型業務を自動化するツールです。

業務の流れを登録することで、それらの業務をロボットが自動で実施してくれます。

比較的安価で操作が容易なRPAも増え、専門知識が無くても業務を自動化できます。

4.ノーコ―ド開発ツール

プログラミングの知識がなくても、アプリを作成できるツールです。

IT・システムの専門知識が無い現場社員でも活用できるため、開発を外部委託するよりも、スピーディーに業務をデジタル化することができます。

月数千円から活用できるツールもあり、時間とコストをかけずに業務を効率化することができます。

運送会社が明日から取り組むべきデジタル化

最初にお伝えしたように、デジタル化の必要性は感じているものの、
うまくいっていないという運送会社が多いのが現状です。

しかしながら、それらを理由に、デジタル化に取り組まないのではなく、できることから着手することが何よりも重要です。

上記で紹介したツール以外にも、無料で活用・トライアルできるものがたくさんあります。まずは、自社の課題解決にマッチしそうなツール試してみることが良いでしょう。

小さなことでも構いませんので、生産性向上に向けて、デジタル化の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

以下の資料は、無料でダウンロードが可能です。
業績を上げ続けている物流企業は具体的に何をしているのか解説しています。

物流会社のためのDX(デジタルトランスフォーメーション)

また、当社では、運送業に特化したコンサルティングを行っています。無料相談も受け付けておりますので、いつでもご相談ください。

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