物流経営コラム 2020.02.21

運送業の賃金体系と制度見直しの傾向

運送業の賃金体系は、大きく3パターンに分けることができます。

①基本給+諸手当車(両手当、役職手当、無事故手当、家族手当、皆勤手当、評価給、通勤手当など)、割増賃金

所定労働時間勤務することで決まった額の給与(時間軸給)を支払う体系です。割増賃金が正しく表示されるため労使間の争いが起きないことが利点です。年齢や勤続年数を基本給に反映している会社は、少数派ですが、定着率アップを目的として勤続給を導入する企業が少しずつ増えています。皆勤手当は、有給休暇取得推進の観点から支給を廃止し、基本給もしくはその他の手当に割り当てられる傾向があります。

②完全歩合給

給与のすべてが歩合(売上、走行距離や積み下ろし回数など)に連動した形で、出来高に応じて支払う体系です。完全歩合給(出来高制)であり、経営状況に対応しやすいものの、仮に仕事が少なく配車が組めないといったような場合には、「保障給」の支払いが必要です。

③基本給と歩合給の併用

固定給に歩合給をプラスした体系(例:4万円+売上高給など)です。割増賃金や最低賃金割れを確認する際は、基本給(時間軸給与)と歩合軸給与で計算式が違うので注意が必要です。

■ドライバーの給与

年齢・経験よりも、仕事内容によって給与が変わることが多いのが特徴です。最近は、「長時間働いて、たくさん給与が欲しい。」といった考えより、「安定して長く働ける」、「仕事量が安定しており、収入も安定している」といった安定志向のニーズが増えているようです。そのため、①へと移行する会社が増えています。

■管理職・管理部門の給与

①基本給+諸手当の給与体系を運用しているケースが大半です。役職・役割によって給与が異なり、評価制度を導入することで給与(昇給・昇格、賞与)に反映するケースが多いです。管理部門はドライバー(特に長距離)と比べると労働時間が短く、月給ベースで安くなることがあります。優秀な管理担当者を確保するためには、給与を時給換算した場合、ドライバーよりも高いことに加え、キャリア・ビジョンの見える化を行うことが必須であると言えるでしょう。

Pen Iconこの記事の執筆者

三村 信明

船井総研ロジ株式会社 チーフコンサルタント

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