第91回 物流業界におけるコンプライアンス・コスト(1)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今や社会問題となっている「偽装請負」や「二重派遣」は、物流業界においては、慢性的に暗黙のもと浸透している既成事実であった事は歪めない. そのグレーな業態に行政や司法のメスが入ることは、かなり蓋然性の高いコーポレートリスクともいえます。

荷主と物流企業間や元請物流企業と再委託先間など、偽装の根本理由は物流業務契約を締結する上での「業務委託契約」とオペレーションの実態が法や規制に反している運営形態に問題があります。

物流における「リスクマネジメント」の項には、契約と委託実態における精緻な調査を必ず行います。

荷主企業であっても、物流企業であっても取引に関係するコンプライアンスは絶対であり、ガバナンス(企業統治)を重視する現代経営では最重要課題であります。

規制緩和とアウトソーシング領域の拡大化する物流業界においては、「コンプライアンス」に基づいた経営は避けては通れない企業存続に関わる経営課題となります。

そのコンプライアンスを実行し継続していくには多くの費用がかかることも認識し明確化し、予算化しなくてはなりません。

物流における「コンプライアンス・コスト」は以下の5項目で分類しています。

■『物流コンプライアンス・コスト』の5項目

①安全管理コスト

②労務管理コスト

③規制管理コスト

④品質管理コスト

⑤契約管理コスト

次号からは、それぞれの内容について考察していきます。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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