第82回 上手なコミュニケーション手法その1~会話の思いやり~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

コミュニケーションを最良に行うことを心がける事によって、人間関係は友好的になり、両者の繋がりを強固にすることが可能です。

とくに初めて会話をする相手には、簡潔にこちらの意図する事柄を伝えなくてはなりません。

営業担当者や顧客との交渉窓口を業務としている方々でも、時に「実は私は 話し下手なんですよ」なんて言う事を耳することがあります。

話し上手か話し下手なのかの違いは、実は本質的な会話の技巧による上下ではなく、相手に思いやりを持った会話ができているかどうかの違いによるものと筆者は考えています。

一方的にこちらの意図する事だけを話すタイプがいますが、これでは相手は圧倒され、コミュニケーションを図る上で防御の体制となり、聞く耳を無くしてしまいます。

聞く耳を無くした人に、いくら饒舌に話しを続けてみてもその聞き手 には、本意が伝わるどころか、マイナスイメージを与えてしまうことになります。

また、ひとつひとつの事柄に対して相手に納得を求めるタイプは、まず間違いなく、相手は納得しているのではなく、無理やり説得されているものと考えた方がよいと思います。  

例えば、  

A:「在庫削減なんてのは、物流部だけでは絶対に出来ませんよね!!」  B:「そうですね…」

こちらの伝えるべき事柄を、相手の気持を理解しながら伝える事を意識すると 会話の中身が違ってきます。

例えば、

A:「物流部のみでの在庫削減には、限界を感じませんか?」

B:「そうなんですよ。営業部や購買部との連携はどうしても必要ですよね?」

A:「そう思います。この場合、どこの部署が中心となるべきでしょうか?」

とこのように、会話が継続され少しずつ議論が深まり、双方の認識や興味レベル が接近してきます。

上手な会話が出来る人は、相手を思いやりながら、相手の考え方や意見を引き出す事の上手な人の事を言います。

会話の中にも相手を思いやる気持をもてば、必然性を持って双方のベクトルは一致し、良好な人間関係を構築することが可能となります。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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