第8回 3PLの事業化
物流企業にとって、『3PL』は営業戦略上欠かせない戦略であるがまだまだ『3PL』の認識が浸透していないと思われます。
日本型の3PLは自社(物流事業者)の事業インフラをより有効に活用し、 共同化・共有化を図る事が先行しているが、欧米ではほぼ自社の資産を持たないノンアセット型が一般的であります。
一例として、各種の共同配送がありますがその共同配送の主体である運送事業者が自社インフラに顧客を誘致するのは、装置産業的な戦略であり路線事業者 (特積み)となんら変わりはないものであります。
これは、セカンドパーティー事業者が、効率化・極大化・省力化を図った典型的な営業戦術であり、顧客志向に必ずしも因ったものではありません。
ただ、共同配送便を利用する事は環境面・コスト面・品質面でのプラス効果が見込まれるが、あくまでもその既存インフラに顧客の輸送条件が合致した場合に限ります。
発展的に考えると、共同配送の主体事業主が行うセールスと3PL事業者が、 顧客視点でそのインフラ(共同配送)を選択するのでは全く別のプロセスを経ている事になります。
3PLを事業化したいと悩んでいる物流企業は、自社の資源のみを見て顧客へのセールスを行うのでは無く、顧客視点を持って最適な物流モードを選択し、ジョイントする事が重要です。
そのためには、各方面との連携や幅広いネットワークの構築こそが、『3PL事業』への第一歩となります。
倉庫事業者でも輸配送を含めた3PLは可能であり、運輸事業者でも保管・流通加工・センター運営などの3PLは実現できるものです。
『3PLの実現化』で一番重要な事は、ネットワークとコーディネイトではないでしょうか。