第306回 今、物流部がやるべき3つの施策(1)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

「物流」が、大変な時代となりました。

あちらこちらで運賃値上げ要求による荷主企業の悲鳴が聞こえてきます。

その悲鳴に比して、輸送業界は上げ潮となっています。

しかし、その潮目となった人材不足も、決定的な解決策は見当たらない状況です。

料金が上がっても、ドライバーの確保や定着が実現されないと、 荷主企業の信頼を裏切る結果となります。

ドライバー不足・リフトマン不足・夜間作業員不足など、業界における人材不足の深刻さは 焦眉の急を告げる事態であり、輸送会社の経営根幹 に関わる課題です。

そのような中、荷主企業は今、何をすべきでしょうか?

今回から新シリーズとして 「物流部が今やるべきこと・やらないとならないこと」を考察します。

今、物流部がやるべき3つの施策

荷主企業や元請け物流企業は、世の中における構造変化の動きを敏感に 捉え、ダウンサイト要因を抽出し、それを回避する施策の策定が目下の急務です。

自ら課してきた制約をいったん取り除き、新しい時代に即応可能な物流 体制を構築しなくては なりません。

今、物流部がやるべき3つの施策は、以下の通りです。

(1)自社輸送体制の再点検
(2)「働き方改革」を阻害する業務の抽出
(3)物流改善「安定的な供給体制の構築」

荷主企業は今、厳しい現実に直面しています。

特に、BtoCビジネスであるネット通販業は、大手宅配会社からの強力な コストプレッシャーに 戸惑い、利益が確実に侵食されています。

特に宅配会社から、取引停止も辞さないレベルの要求を受けているのは、NOYに該当する企業です。

NOYとは、 N = 集荷に掛かる時間が長い(N)  O = 荷物サイズが大きい(O)  Y = 運賃が安い(Y) 以上、 長い・大きい・安いの頭文字から取った、私が作り出した略語です。

長いや大きいや安いは、決して主観ではありません。

お取り引きをしている宅配会社の規定や運用ルールに基づくものです。

運賃値上げを回避することは、ほぼ難しいと思われますが、上げ幅を小さく することは可能です。

NOYを改善によって変えていくことが、値上げ幅の極小化策となります。

次回からは、物流部がやるべき3つの施策について、詳しく述べていきます。

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