第3回 3PL企業の財務力(事例編)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

物流業の業務モードには、倉庫・流通加工・輸配送などが代表的なものですが、営業特化やファイナンス特化を得意としている企業もあります。  

特に、ファイナンス特化型の代表例としては ①パートナー企業への早期支払い ②倉庫保証金の立替 ③マテハン機器導入資金の立替 ④システム導入資金の立替 ⑤関税等輸出入に関わる経費の立替 など荷主企業が従来負担していた導入前の『イニシャルコスト』などと、月々の運転資金や運用経費などの『ランニングコスト』を、3PL企業が 代替していくサービスです。  

イニシャルの代替は月次の利用料金として、請求をします。

ランニングに 関わるコストは、他の物流費と合算して窓口の一本化になります。

特に①のパートナー企業への早期支払いとは、荷主企業から収受する前にパートナー企業への支払いを行う機能を指します。  

例えば、荷主企業の支払条件が「末締め翌々末」の場合、3PL企業へは 締切60日後の入金となりますが、この機能を有している3PLは荷主企業の支払条件に関係なく、パートナー企業との決済日を取り決めます。  

「末締10日」や「請求金額確定後5日以内」など、運送や流通加工などを行っているパートナー企業への決済を短期で行って、パートナー企業の財務安定を図り、3PLネットワークの安定化を実施しているのです。  

3PL企業にとって、実業企業は欠かせないパートナーであり、その業務品質向上や継続的な供給体制は、至極当然の管理業務であります。

しかしそのパートナー企業を不利益な契約で供給する事では、永続的なカイゼンや安定的な車両・人の提供を受ける事が困難となります。

財務力の強化は、3PL企業の使命でもあり今後は重要な戦略となって きます。

今後日本でも、伝票単位の決済機能(システム)を持った3PL企業というのも、十分有り得る事でしょう。

次回…『在庫削減のポイント①』

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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