第299回 日本型3PL「期待していいこと、出来ないこと」(4)
ヤマト運輸さんが拠点に3Dプリンターを設置して、受託製造事業に参入するとの発表がありました。
究極のラストワンマイルですね!
物流各社も多様性を求められる時代となり、差別化した成長チャンスはまだまだ物流周辺に転がっていると思います。
先日ドローン操縦士の人材紹介会社へ取材に行ってきました。
ドローン操縦士を育成する専門の学校や、操縦士認定機関(現在は社団法人)もあるようです。
現在操縦士の教育検定を卒業された方は、国内約1,000名いるそうです。
今後の活躍が期待されますね。
この取材記事は、ロジスティクス・インサイト特集号として近々アップしますので、ご興味のある方は必見です。
http://www.f-logi.com/back_in/mailmaga_logiin.html(現在掲載準備中)
さて、今シリーズは「日本型3PL」と「欧米型3PL」の違いについて考察していきます。
日本型3PLを大別すると以下5系統に分類されます。
1.運輸系や倉庫系などのアセット保有物流会社が展開している
2.商社系物流子会社が展開している
3.フォワーダーが展開している
4.物流子会社が展開している
5.その他(業務請負会社やIT企業、一部のコンサルティング会社など)
中でも1.の運輸系・倉庫系が展開するアセット型3PLが市場の大半を占めています。
アセット型事業者の特徴は、自社のアセット(倉庫やトラック)を効率的に運用し、利益を創出するビジネスモデルです。
効率的とは、倉庫の場合は倉庫スペースを満床にすること。
トラックの場合は、積載率を100%に近づけること。
更に、倉庫もトラックも24時間利用されると生産性Maxとなります。
倉庫・物流センターには、エレベーターやマテハン機器などの付帯設備もあります。
これらの設備も、限られた一定時間ではなく、限りなく24時間使用することで、時間当りの原価が小さくなり(分散される)、オペレーションコストの低減化に貢献します。
アセット事業者にとっては投資資産を最大活用するための手段として、3PLが有用な営業キャッチフレーズとなりました。
日本型3PLの特徴として、元請方式があげられます。
例えば「ネット通販の物流センターを3PLへ委託している」と、こんな話をよく耳にします。
その3PLはどんなことをしているのか?と聞くと、物流センターの運営業務・宅配便の元請け(利用運送)、WMSの開発導入といった業務サービスです。
物流センターはどこにありますか?と聞くと「ファンドが立てた市川の大型倉庫を3PLさんが借りて当社のセンター運営を行っています」との回答。
どうもこの荷主さんは、物流会社が倉庫を手配して、センターを運営して、配送元請となり、WMSを開発導入することが 3PLと思っているようです。
たしかに、この物流業務受託サービスは”日本型3PL”に違いありません。
次号はもう少しこの荷主の事例を深堀してみることにします。
⇒次号につづく。
※3PL(Third Party Logistics)の概念は以下をご覧ください。