第298回 日本型3PL「期待していいこと、出来ないこと」(3)
新年明けましておめでとうございます。
旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり、誠にありがとうございました。
本年も、船井総研ロジスティクスメールマガジンを、どうぞ宜しくお願いいたします。
2017年の干支は丁酉(ひのととり)です。
丁酉は『革命の年』とも言われています。
これまで積み重ねてきたことについて、何からしらの結果や成果が結実される意味にも捉えれます。
物流業界においては、自動運転技術やロボティクス物流センター、そしてライドシェアなど、全く新しい概念が芽生える元年ともなる可能性があります。
業界環境は大きく変化することになりますので、時勢をしっかりと見極め、時流に乗り遅れない体制を構築しておくべきと筆者は考えます。
今シリーズは「日本型3PL」と「欧米型3PL」の違いについて考察していきます。
■欧米型・日本型3PLの特徴
欧米型3PLは、顧客(荷主)のロジスティクスにおけるほぼ全領域に対して包括的に業務請負を実施します。
3PLの基本理念は、顧客利益の追求・創造・発展といった概念となります。
一方で、日本型3PLは一部分の元請け機能が主流となっています。
例えば、国内物流3PLとか、東日本マザーセンター請負など、ロジスティクスの全領域(調達物流・生産物流・社内物流・販売物流・回収物流)について1社の3PLが 手掛けている事例は少なく、荷主企業のサプライチェー ンが物流企業によって分断されていることが日本の特性でもあります。
日本においてサプライチェーンが分断されているのは、物流を管轄している組織体制に依る理由があげられます。
国内物流は物流部が管轄し、調達物流は資材部や購買部、海外からの輸入品に関しては、国際部や購買部といったふうに、それぞれの機能によって管理部門が違っていることが多く見受けられます。
昨今、製造業などはサプライチェーン全域を管理する部門が創設されていますが、欧米と比較するとまだまだ初歩的な段階です。
次号に続く。
※3PL(Third Party Logistics)の概念は以下をご覧ください。