第285回 2016年は“丙申(ひのえさる)”の年(3)~物流戦略再構築~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

2016年1月、2月は物量が低迷しています。

3月は回復して欲しいと願いますが、いかがでしょうか?

今年も期待通り、外国人旅行者の「爆買い」がありましたね。

何に火がつくかはわかりません。

SNS(Facebookやtwitter)で特定の商品がクローズアップされ、一気に旅行者へ展開します。

爆買い対象商品は「家電品・化粧品・トイレタリー品・衣料品・高級品」などです。

何に火が付くかわからないといいながらも、インバウンドマーケティングが成功して火を付けた商品もあります。

いわゆる事前の仕込みです。

企業のマーケティング戦略は、今や大きく変わろうとしています。

例えば・・・

■原油価格は底値安定。

人手不足は物の動きが悪い為、目立って騒がれていませんが、 解決したわけではありません。

原油価格が上がり、物の動きが活発になると、運送会社からの値上げ要請が復活します。

荷主の取るべき施策は
「在庫しない」 「輸送しない」 「山谷を作らない」
3点です。

■2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、国内で約21万人の雇用が発生するそうです(みずほ総研発表)。

その主たる産業は建設・卸小売・サービスなど。

ドライバー不足は尋常でないレベルの深刻な状態になることが容易に想像されます。

今年もしくは来年中には、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた物流戦略を再構築する必要があります。

物流戦略を再構築する上で、重要な視点は以下の3点です。

1.物流体制の方針(自社物流/アウトソーシング) 
2.拠点立地
3.輸配送計画

自社の成長とともに物流オペレーションも複雑化し、拡大化します。

2020年のオリンピックイベントは、どの企業物流にも大きな影響があります。

自社物流で2020年の難局を乗り切るのか、物流のプロへアウトソーシングによりリスクを他社へ委ねるのか?

想定される物流への影響は・・・

・ドライバー不足による輸配送機能の低下、停止リスク(調達・出荷ともに)
・人手不足による倉庫オペレーション機能の低下
・上記を解決させるためのコスト増大リスク

大きなリスクはこの3項目ですが、細かなリスクはまだまだたくさんあります。

この1、2年でこれらのリスクに対する回避策を想定する必要が求められます。

自社の事業業績とは関係なく、2020年東京オリンピック・パラリンピックは物流へ影響を及ぼします。

だから物流戦略の再構築が必要なのです。

あらゆるリスクは事前に想定さえしておけば、何らかの回避策は講じることが可能となります。

どの企業も現状の自社における物流体制(調達網から出荷に至る完全なサプライチェーン)を今一度整理し、将来リスクに対する回避策を策定しておきましょう。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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