第276回 物流SLM(サービスレベルマネジメント)その1

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

「物流SLM(サービスレベルマネジメント)の有用性」

いよいよ本格的な夏の到来ですね。

日本には四季があり、それぞれの季節で衣食住が変化します。

旬な食べ物や季節に合わせた衣類・生活用品など、シーズン特性を生かした商品が我々の生活を支えています。

物流もまた、四季に合わせた保管や輸送方法があり、季節を取り入れた「四季のあるビジネス」だと思うことで、夏の暑さも少しは和らぐのではないでしょうか?

さて、今号から物流SLA(サービスレベルアグリーメント)の導入に欠かせない、物流SLM(サービスレベルマネージメント)について考察致します。

物流SLMとは、物流サービスにおけるその品質や実績に対する点検・評価・改善などを継続的に実施する活動です。

物流SLMは荷主企業もしくは3PL企業が、日々の物流オペレーションを管理するうえで、品質向上や生産性向上を進めていくためには欠かせない管理手法となります。

では、荷主企業・3PLそれぞれの立場での事例を解説致します。

■荷主企業が実践する物流SLMの事例「保管効率の向上

荷主企業が物流オペレーションを外部企業へアウトソーシングしている場合、一般的には保管・荷役・輸送の3業務が中心となります。

その中で、荷役は個建契約だが保管に関わる契約が「坪契約」といったパターンは少なくはありません。

坪契約の場合「契約坪数」×「坪単価」= 保管料金となります。

荷主企業としては坪数を抑え、坪単価を廉価にすることが担当者のミッションです。

物流アウトソーシングの開始時、基本坪数は2,000坪などと専有面積を明確にして、物流会社と契約します。

しかし、この契約だけでは将来不具合が発生する場合があります。

契約開始後、在庫数量が増大し、物流会社から増坪をしないと入らない旨の通知があったとします。

さて、貴社ならばこの申し出があった場合、どのような対応をされるでしょうか?

1.少しぐらいは通路や仕分けスペースに仮置きをしてでも、増坪なしで対応して頂くによう交渉する
2.在庫が増えているは事実なので、申し出のあった増坪請求を受け入れる
3.専有スペース(この場合2,000坪)に入らない商品をパレット枚数でカウントして、申し出のあったパレット枚数分を追加保管料としてお支払いする

いずれもよくある事例です。

果たして、1〜3の中でどの対応をすれば良いのでしょうか?

荷主企業の物流管理者としての適切な対応は、次号にてお伝えします。

次号に続く。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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