第252回 物流コンペ成功のキーファクター11

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

物流コスト削減施策のひとつであります「物流コンペ」を成功に導くための手法を公開いたします。

物流コンペの手順についてその内容を考察いたします。

(6)最終評価報告書の作成

1.最終プレゼンテーション

いよいよ物流コンペの最終章となります二次(最終)選考のための「プレゼンテーション」です。

ここに至るまでに、多くのプロセスを経て最終プレゼンとなりましたが、参加者である各物流企業さんの評価をするうえで、最後の交渉機会となります。

お互いに真摯な取組で物流コンペを実行している訳ですが、もう本当の意味でのラストチャなります。

最終プレゼンは、最終選考へ進出した数社さんを個別方式で面談いたします。

筆者の経験からすると、プレゼン時間は約30分〜45分が双方最も集中できる時間です。

その後30分〜45分の質疑応答時間を設定し、1社当たり90分ぐらいがベストな時間割りとなります。

最終プレゼンでは、1日に概ね2社〜3社のプレゼンを受けることなりますので、午前1組・午後2組といったゆるめのスケジュールが好ましいと思います。

2.最終評価報告書の作成

各社のプレゼンが全て終わった後に、物流コンペの纏めに入ります。

纏めの項目としては、一次コンペの内容に追加項目を足した評価となります。

1.料金水準(コスト評価)

①一次コンペで記載された内容もしくは修正版のまとめ
②各作業の単価を費用項目毎に並べる
③月間(年間)総数のシュミレーション値の合計を順番で並べる

2.拠点ロケーション(立地評価)
①所在地
②拠点利便性(交通アクセスや周辺駅からの距離及び時間)
③物流BCP評価(液状化、交通規制など)

3.物件概要(物件評価)
①倉庫構造・仕様・設備内容
②輸送便利便性

4.業務フロー(業務プロセス評価)
①業務フロー
②要員計画
③繁忙期対策及び緊急応援体制

5.情報システム機能(物流情報システム評価)
①情報システム概要図
②ハード機器構成一覧
③バックアップ及び緊急時の対応

6.人員及び体制
①運営体制
②応援体制

7.改善の視点
①今後の改善計画(取引前なので、あくまでも視点レベル)
②過去の改善実績一覧

8.差別化された強み
①差別化された強みがある場合、その内容
②今後期待される内容

9.その他当社への要望

上記評価項目を定性評価と定量評価の両面で最終評価を行い、経営サイドが決定可能な資料を作成します。

最終評価報告書は、数値だけの評価ではなく、数値に表れない定性面を如何に客観的に実態を表現できるかがポイントとなります。

次回はこのシリーズの最終章として、物流コンペを総括してみることにします。

・・・次号へ続く。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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