第251回 物流コンペ成功のキーファクター10
物流コスト削減施策のひとつであります「物流コンペ」を成功に導くための手法を公開いたします。
物流コンペの手順についてその内容を考察いたします。
(4)提案書に対する評価基準の策定
物流企業から提出された提案書を公平平等に評価するための、評価基準を作成します。
評価基準を事前に作成しておき、RFPへその意向を反映させておくことが肝要です。
一次コンペでは、次の二次(最終)コンペへ通過する企業を選定するための、評価項目を設定します。
評価の主な内容は、定性評価と定量評価に分かれます。
評価内容については、前回記載した6項目となります。
1.料金水準(コスト評価)
2.拠点ロケーション(立地評価)
3.物件概要(物件評価)
4.業務フロー(業務プロセス評価)
5.情報システム機能(物流情報システム評価)
6.人員及び体制
これら6項目を厳正に評価した結果、二次コンペへ進出する企業を確定します。
二次コンペ(最終)では、上記6項目以外に以下の内容を最終提案書として提出して頂くことになります。
二次コンペに参加して頂く企業の目安は、概ね3社〜4社が望ましいと思います。
1.料金見積書(最終確定版)
2.キックオフまでのスケジュール
3.今後の改善提案
(5)提案物流企業の現場視察日程の調整
多くの企業に参加して頂く一次コンペでは、個別企業との面談時間もあまり多くは取れないケースが一般的です。
そこで、二次コンペにおいては、各企業の情報をより多く入手するために、個別での面談機会を設けたり、候補企業の物流現場へ視察に行くことを推奨します。
二次コンペからは、各物流企業との面談などに可能な限り多くの時間を取り、料金や条件などの規定内容と、将来ビジョンや改善に対するノウハウなどを聞き取ります。
さらに、面談だけでは掴めない各社の実態とも言うべき「現場」を視察することが重要なプロセスとなります。
現場訪問の目的は、今後自社の物流業務を委託する重要なパートナーとして、企業文化や現場品質のレベルを直接見ておくためのものです。
現場訪問のおける視察の視点は以下の5項目を重点的に見ておきます。
現場視察も可能であれば、現場視察報告書として纏めておくことで、最終評価に有用となります。
1.企業文化が自社と合致しているか?
2.物流現場の5Sレベルはどうか?
3.候補物件の利便性や施設は十分なものか?
4.職場環境はどうか?
5.センター長や責任者、スタッフとの直感的な相性はどうか?
・・・次号へ続く。