第244回 物流コンペ成功のキーファクター3

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今号から、物流コスト削減施策のひとつであります「物流コンペ」を成功に導くための手法を公開いたします。

自社の物流を定量的に分析し、数値化できないことに関しては、定性的に分析します。

なぜ、物流コンペを成功させるためにこんな手間のかかる事を行うのでしょうか?

それは、どの企業にしても精緻なレベルで自社の物流に関して理解できていない理由によります。

ざくっとだとか、大まかにといったレベルでは、既存の委託先を変更するには不適切となるからです。

なぜ程々レベルでの把握ではダメ(不適切)なのかと言いますと、今後取り組む
物流コンペにおいて、「情報の非対称性」が発生してしまうからです。

情報の非対称性が発生してしまうと、物流コンペは失敗に終わる事例が数多く見受けられます。

物流コンペを実施するうえでの「情報の非対称性」については、このシリーズ後半で説明します。

話しを戻します。

定量分析には、前号に記載した項目のほか、商品群毎の物流単価を明確にする必要があります。

本来はSKUレベルで物流単価を明確にしたほうが良いわけですが、そこまで細かく管理するには、全てのコスト要因となるパラメーターを設定する必要があり、かなりの難易度となります。

あまり管理コストをかけても本末転倒となりますので、品番単位や商品カテゴリーレベルでの把握をお薦めします。

物流コストを管理するポイントとして、以下5項目があげられます。

(1)1ケース(1ピース)当りの1ヶ月当りの保管コスト
(2)1ケース(1ピース)当りの配送コスト
(3)1ケース(1ピース)当りの荷役コスト
(4)1ケース(1ピース)当りの返品コスト
(5)1ケース(1ピース)当りの管理コスト

定性分析では以下5項目があげられます。

(1)現状の課題と問題点
(2)改善したい要望のまとめ
(3)短期的(即効性の高い)改善施策
(4)中期的改善施策
(5)あるべき姿

最後にあります(5)自社の物流のあるべき姿、が最も重要なものとなります。

・・・次号へ続く。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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